[INTRODUCTION] なぜミルトンは、これほどまでに多くの音楽家たちを魅了し続けてきたのか?
80歳を迎えた2022年、ミルトン・ナシメントはブラジルから欧米17都市を巡る最後のワールドツアー「A Última Sessão de Música(最後の音楽セッション)」を敢行する。本作は、その旅に寄り添いながら、60年に及ぶ音楽人生の軌跡を辿るドキュメンタリー。彼の聖地であるミナス・ジェライスの風土に根ざし、ブラジル音楽、ジャズ、フォークを横断する独自の音楽言語を築き上げ、72年に発表したアルバム“Clube da Esquina”に象徴される革新的な作品群によって、20世紀以降の音楽に新たな地平を切り開いてきたミルトン・ナシメント。カエターノ・ヴェローゾ、クインシー・ジョーンズ、スパイク・リーら、彼を崇敬するジャンルも国境も越えた総勢57名の証言が、その存在が音楽史に刻んできた影響と広がりを立体的に浮かび上がらせる。