クロード・シャブロル傑作選【8/18~27】*特集上映 今後の上映作品 [上映日程]2026年8月18日(火) 〜 27日(木) *休映:8/24~25 “ 私は、おかしい。あなたも、おかしい。”フランスの恐るべき巨匠が放つ、サイコ・サスペンスの傑作3本一挙公開 ヌーヴェル・ヴァーグの旗手として、サスペンスやミステリーの巨匠として、半世紀にわたってフランス映画界をけん引してきた映画監督、クロード・シャブロル。長編だけで54本の作品を遺したシャブロルとあって、我が国では未公開の隠れた傑作も多いが、人間存在への皮肉めいた眼差し、恐怖とユーモアの絶妙なバランス、モラルや常識をいとも簡単に飛び越えて描かれる、研ぎ澄まされた物語の数々は決して色あせることなく、先の見えない現在だからこそより一層輝く。上映される3本は長いキャリアの中でも黄金期と言って過言ではない、1960年代後半から70年に発表された、当時シャブロルの妻だったステファーヌ・オードラン主演によるサスペンスの極上作ばかり。しかも『不貞の女』『肉屋』は、特集上映を除き待望の日本初公開となる。2026年の幕開けにふさわしいシャブロルの官能的で濃密な映像世界にぜひ溺れてください。 [上映作品] 『女鹿』Les Biches 『不貞の女』La Femme infidèle ★日本初公開 『肉屋』Le Boucher ★日本初公開 ※全作デジタルリマスター版での上映 提供:マーメイドフィルム 配給:コピアポア・フィルム 宣伝:マーメイドフィルム、VALERIA 後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本 ©︎Les films La Boëtie [公式サイト] claudechabrol2026.jp [上映時間] *準備中 FILMS 『女鹿』Les Biches [1968年/フランス・イタリア/ビスタ/カラー/99分] 脚本:クロード・シャブロル、ポール・ジェゴフ 撮影:ジャン・ラビエ 音楽・ピエール・ジャンセン 出演:ステファーヌ・オードラン、ジャクリーヌ・ササール、ジャン=ルイ・トランティニャン 支配者、被支配者であり、分身のようでもある、女ふたりの濃厚かつミステリアスな関係を軸に、映画そのものが愛と憎しみをむき出しにした強烈な蠱惑をはなつ、シャブロルの“絶頂期”の傑作。ある日、セーヌ川に架かるポン・デ・ザールの路面に絵を描いている娘、ホワイを見そめたブルジョワの女、フレデリック。フレデリックの屋敷に住むことになったホワイは客として訪れたポールに惹かれるが、ポールはフレデリックとも関係を持ち…。複雑で曖昧な女たちのこころに満たされた官能的な作品。本作では既にシャブロル夫人だったステファーヌ・オードランが、前夫ジャン=ルイ・トランティニャンと共演を果たしている。 『不貞の女』La Femme infidèle [1969年/フランス・イタリア/ビスタ/カラー/98分] 脚本:クロード・シャブロル 撮影:ジャン・ラビエ 音楽・ピエール・ジャンセン 出演:ステファーヌ・オードラン、ミシェル・ブーケ、モーリス・ロネ 多くの批評家によって大絶賛され、シャブロルの最高作の一本と呼び声高いだけでなく、シャブロル自身にとっても最大の自信作。保険会社の重役シャルルは妻エレーヌと息子と共に幸せな毎日を送っているが、ある日、エレーヌが作家ペガラと浮気していることを突き止めてしまう。ペガラの家を訪れ、最初は平静を装うシャルルだったが、次第に怒りに駆られ…。アニエス・ヴァルダ『幸福』、ジャック・ドゥミ『シェルブールの雨傘』、そして今回上映される全3作の撮影を手がけるジャン・ラビエの洗練された映像美、名優たちの共演、繊細極まる心理描写と、あっと驚く暴力性を切り取った屈指の傑作スリラー。 ★日本初公開 『肉屋』Le Boucher [1970年/フランス・イタリア/ビスタ/カラー/93分] 脚本:クロード・シャブロル 撮影:ジャン・ラビエ 音楽・ピエール・ジャンセン、ドミニク・ザルディ 出演:ステファーヌ・オードラン、ジャン・ヤンヌ、アントニオ・パッサリア フランス南西部の村で小学校の教師を務めるエレーヌは、孤独を抱えた肉屋のポポールと結婚式で隣あい、急速に親しくなる。一方、村で次々と起こり始める残忍な殺人事件。ある日、生徒たちとピクニックに出かけたエレーヌは惨殺死体を発見するが、傍らに落ちていたライターはエレーヌがポポールにプレゼントしたものとそっくりだった…。のどかな片田舎での日常に出現する異様な事態──花束に似た肉、パンに滴る血──人を愛しきることができない女、そして果てしない闇を抱えた人間がしぼり出す、一瞬の限りない切実さ。奇妙な切なさに放り出されるクライマックスも秀逸な、これぞシャブロル流愛の犯罪劇。 ★日本初公開 不敵な怪力のシネアスト 山田宏一(映画評論家) ヌーヴェル・ヴァーグはクロード・シャブロルとともにはじまったのだという神話など今となっては生まれる前に消え去っていたようなものだから、あえて思い出そうとしたりすることもないくらいだ。どんな映画も臆することなく不敵な面構えで勢力的に撮りつづけてきた怪力のシネアストだ。 『女鹿』『不貞の女』『肉屋』はクロード・シャブロルの1960年代から70年代にかけての“ブルジョワ・シリーズ”の代表的な三作である。当時シャブロル夫人で最も美しく官能的な女優だった、ステファーヌ・オードランがヒロインを演じる三部作と言ってもいいかもしれない。 クロード・シャブロルにとってブルジョワとは何か?──それは「資本主義社会の寄生虫」で、「嘘と美食と姦通と殺人にしか生き甲斐を見出せない」男と女である。金には困らないが、欲望と狂気は抑え切れないという厄介な存在だ。ブルジョワ出身のクロード・シャブロルがいわば近親憎悪をむきだしにして執拗に描きつづけたブルジョワジー破局の密かな黙示録的三部作とも言うべき作品群なのである。 舗道に鹿の絵を描いていた美少女(ジャクリーヌ・ササール)を誘惑したブルジョワ女が逆に身も心も男(ジャン=ルイ・トランティニャン)も奪われてしまう『女鹿』。自己の心の問題を嘘で表現しつつ、互いに助け合って危機を克服するブルジョワ夫婦を静かに描く『不貞の女』。夫(ミシェル・ブーケ)にとって、殺人はブルジョワ的鬱屈の爆発にすぎないのだ。肉切り包丁ならぬ飛び出しナイフで女たちを血祭りに上げる肉屋(ジャン・ヤンヌ)に愛された美貌の女教師は……と戦慄のシャブロル的サイコドラマは果てしなくつづくかのようである。 クロード・シャブロル Claude Chabrol 1930年パリ出身。大学時代にシネクラブやシネマテークに入り浸り、フランソワ・トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダール、エリック・ロメールらと知り合う。フリッツ・ラングとアルフレッド・ヒッチコックの熱狂的ファンとなり、50年代は「アール」誌、「カイエ・デュ・シネマ」誌に寄稿、20世紀フォックスの支社で宣伝も担当。ジャック・リヴェットの短編第一作『王手飛車取り』(56)に製作・脚本・出演で参加。1958年、長編第一作『美しきセルジュ』を監督。翌59年にはゴダール『勝手にしやがれ』に監修の名目で参加したほか、『二重の鍵』、『いとこ同志』を発表。後者でベルリン映画祭金熊賞を受賞し、一躍注目を浴びた。以後ほぼ毎年のように監督作を発表。他の主な作品に『気のいい女たち』(60)、『殺意』(66)、『主婦マリーがしたこと』(88)、『ボヴァリー夫人』(91)、『石の微笑』(04)、『引き裂かれた女』(07)など。2010年、パリにて死去。 Tweet Share Hatena Pocket RSS feedly Pin it 今後の上映作品 グレイ・ミッション【8/21~】 東京裁判(4Kデジタルリマスター版)【8/15】*終戦記念日1回限定上映 ピックアップ記事 現在上映中の作品 億万長者の不都合な終末【7/24~30】 現在上映中の作品 現在上映中の作品 21世紀のジャン=リュック・ゴダール わたしたちの映画 20... 現在上映中の作品 現在上映中の作品 濱⼝⻯介監督特集上映《突然、偶然、必然》【7/10~30】*... 現在上映中の作品 関連記事一覧 今後の上映作品 原爆資料館 語り継ぐものたち【8/14~】 今後の上映作品 劇場版ダーウィンが来た!世界のネコのなかまたち【10/2~】... 今後の上映作品 生誕120年 ジョン・ヒューストン特集【8/28~】*特集上... 今後の上映作品 恐怖分子 デジタルリマスター【順次公開】 今後の上映作品 PEACOCK/ピーコック【8/14~】 今後の上映作品 マーターズ 4Kデジタルリマスター【8/14~】*特別興行作... 今後の上映作品 パプリカ 4Kリマスター版【8/7~】*特別興行作品/入場者... 今後の上映作品 ニホンジン【8/21~27】*週末こども映画館・うえだ子ども...