国際女性デー2026 特別プログラム 上映作品一覧 ※作品により上映開始日が異なります。
■ 映画史に隠された“爆弾”を再発見する

「ネリーに気をつけろ!ネリー・カプラン レトロスペクティヴ」
(『海賊のフィアンセ』『愛の喜びは』)
(『パパ・プティ・バトー』『シャルルとリュシー』 *3月13日より公開)
「男性向け」「女性向け」そんなレッテルを一笑に付し、1960年代からフランス映画界で独自の地位を築いた女性監督ネリー・カプラン。ピカソやアベル・ガンスを驚愕させた彼女の作品群が、デジタルレストア版で鮮やかに蘇ります。代表作『海賊のフィアンセ』における、村社会の偽善を暴くヒロインの姿はまさに痛快。抑圧を「笑い」と「知性」で跳ね返す彼女の映画は、現代を生きる私たちにこそ強烈なエネルギーを与えてくれます。この“破壊的喜劇”を、ぜひ劇場で目撃してください。
■ 勇気ある告発、そして真実への旅

『Black Box Diaries』
日本人監督として初のアカデミー賞ノミネートを果たした、ジャーナリスト・伊藤詩織さんの初監督作品。自身が受けた性暴力被害と、その後の司法・社会システムとの闘いを記録したドキュメンタリーです。一人の女性がカメラを回し、自らの声を記録し続けること。それは「個人的なこと」を超え、社会構造そのものを問う「正義」への行動でした。彼女が開けた“ブラックボックス”の中にある真実から、私たちは目を逸らすことはできません。
■ 世界の片隅で、少女たちの声に耳を澄ます

『少女はアンデスの星を見た』
舞台は1980年代のペルー、アンデス山脈。標高4,000メートルの過酷な自然の中で生きる少女ヤナワラの運命を、深遠なモノクローム映像で描きます。言葉を持たないかのように扱われ、因習と暴力に晒される少女。彼女の悲劇は、遠い国の出来事でしょうか。今も世界のどこかで、同じように声を奪われている少女たちがいることを、この映画は静かに、しかし強く訴えかけてきます。
■ 幽玄なる祈りと、傷ついた魂の再生

『無明の橋』
立山連峰の麓に実在する女性救済の儀式「布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ)」をモチーフにした物語。癒えない傷を抱え、救いを求めて集う女性たちの姿を描きます。富山の美しい自然と儀式の幽玄な光景の中に、人が再び歩き出すためのヒントが隠されています。
★3月8日(日) 12時50分の回の上映後、坂本欣弘 監督による舞台挨拶を実施致します。
■ 母である前に一人の人間として。愛と解放の物語<2月27日より先行公開>

『私のすべて』
障がいを持つ息子と、彼を支え続けてきたシングルマザー。息子の「自立」と「愛」に直面したとき、母親自身の人生もまた揺れ動きます。ケアする側・される側という関係を超え、一人の人間として互いを尊重し合えるか。フランスの新星が描く、愛と解放の物語です。
■ 現代社会のシステムを問う、エッセンシャルワーカーたちの現実

『ナースコール』 <3月20日より公開>
人手不足の満床病棟で、激務と不測のトラブルに絶え間なく見舞われる看護師フロリアのある日の遅番シフト。病院という社会の縮図に潜む〈歪み〉をリアルかつスリリングに描き出します。ケア労働を担う女性たちにのしかかる過酷な現実は、まさに今、私たちが向き合うべきテーマです。

『オーロラの涙』 <3月27日より公開>
スコットランドの巨大物流センターで働く、ポルトガル移民の女性オーロラ。単調な労働と寄る辺ない日々を描き出す本作は、国際女性デーの起源である「女性労働者の労働条件改善を求めるデモ」の記憶とも深く響き合います。ケン・ローチ作品の製作陣が贈る、現代社会のシステムに組み込まれた個人の尊厳と、小さな希望の物語です。
■ 尊厳を取り戻すため、共に踏み出す母と娘の連帯 <3月27日より公開>

『ギョンアの娘』
デジタル性暴力という現代的なテーマを扱いながら、母と娘の複雑な関係性と、その先にある再生を描いた韓国映画の傑作。被害を受けた娘と、その事実に直面した母。すれ違いながらも、二人がそれぞれの尊厳を取り戻していく姿は、特集テーマである「権利」と「正義」そのものです。
■ 等身大の私たちが、自分の足で再び立ち上がるまで <3月28日より公開>

『話したりない夜の果て Days gone by』
1988年生まれの女性たちによって結成された創作団体「88生まれの女たち」による長編映画。過去に囚われ、生きる気力を失っていた主人公が、自らの心と向き合い、再び歩き出すまでの10年間を描きます。現代を生きる女性たちのリアルな葛藤を、映画製作という彼女たち自身の「行動(Action)」と連帯によって掬い上げた珠玉のヒューマンドラマです。
★3月28日(土)には、上村奈帆監督ほか、出演者の皆さんによる舞台挨拶を予定しています。
■ 権力に抗い、己を貫いた100年前の反逆者 <4月10日より公開>

『金子文子 何が私をこうさせたか』
無籍者として生まれ、過酷な虐待と貧困のなかで虚無主義・無政府主義へと行き着き、日本の帝国主義と闘った女性、金子文子。大逆罪で死刑判決を受けたのちも、権力への服従を最後まで拒絶し、23歳で自死するまでの121日間を描き出します。理不尽なシステムに対し「現に在るものをぶち壊す」と叫んだ彼女の生き様と思想は、100年の時を超えて、今の社会を強烈に撃ち抜きます。なお、本作は佐久市や松本市など長野県内でロケーション撮影が行われました。
★4月12日(日)には、浜野佐知監督による舞台挨拶を予定しています。
*画像をクリックすると、作品詳細をご確認頂くことができます。