山〈モンテ〉

過去の上映作品
[上映日程]4/13、20~21、23~26

 ◎アミール・ナデリ監督舞台挨拶決定! → uedaeigeki.com/news/727

“打ち砕け!
 人間の業(カルマ)を──”

神や自然、人間からも見棄てられたその男は、すべてを苦しめる忌まわしき山と対峙する──
敬愛する“黒澤明”の精神で描く孤高の傑作

[解説]
監督は、天涯孤独の少年を圧倒的な映像美で描いたイラン映画の金字塔『駆ける少年』(85)、西島秀俊主演『CUT』(11)も記憶に新しい現代イラン映画の巨匠アミール・ナデリ。長年、イタリアで映画を撮ることを夢見ていたナデリが、遂にイタリアでのオールロケを敢行。ミケランジェロやアントニオの彫刻に影響を受けたと語るナデリは、孤立無援のなか肉体を過剰に酷使する男の限界突破を美しく描き出した。また、敬愛する黒澤明作品のようなダイナミックなカメラワークと音響で表現された山々と人物の喜怒哀楽は、見る者の心を大きく揺さぶる。それはまるで風土や歴史、芸術に捧げられる、黒澤明の精神で作られたイタリア彫刻作品のようだ。第 73 回ヴェネツィア国際映画祭「監督・ばんざい!賞」を受賞。本年度の東京フィルメックスでも回顧上映が特集されるなど、今まさに各国で注目を集めるアミール・ナデリが作り上げた孤高の傑作である。

[あらすじ]
中世後期イタリア。南アルプスの山の麓にある小さな村の外れで暮らすアゴスティーノと妻のニーナ、息子のジョヴァンニ。この村は、壁のようにそびえる壮大な山に太陽の光を遮られており、思うように作物を育てることができずにいる。他の家族はよりよい暮らしを求めて去っていった。しかし、アゴスティーノとニーナは彼らの説得にも応じず、先祖の墓や亡き娘の墓があるこの地を離れようとはしなかった。飢えた家族となんとか生き延びるため、アゴスティーノはあらゆる手を尽くすが、周囲の村の者達からは異端者として差別され、遂にはそこに暮らすことさえも禁止されて家族は離れ離れになってしまった。もはや手立てはなかった。神や自然、人間からも見棄てられたアゴスティーノは、たった一人で彼らを苦しめる忌まわしき山と対峙する──。

『山〈モンテ〉』
[2016年/イタリア=アメリカ=フランス/イタリア語/107分]
監督・脚本・編集・音響: アミール・ナデリ
製作: カルロ・ヒンターマン、ジェラルド・パニチ、リノ・シアレッタ、エリック・ニアリ
撮影: ロベルト・チマッティ
美術: ダニエレ・フラベッティ
衣装: モニカ・トラッポリーニ
装飾: ララ・シキック
録音: ジャンフランコ・トルトラ
VFX: 佐藤文郎
出演: アンドレア・サルトレッティ、クラウディア・ポテンツァ、ザッカーリア・ザンゲッリーニ、セバスティアン・エイサス
配給: ニコニコフィルム
宣伝: 岩井秀世
デザイン: 山口拓三
英題: MOUNTAIN
原題: MONTE
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公式サイト: monte-movie.com

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