死霊魂

過去の上映作品
[上映日程]9/21~24 *全日程9時45分から上映

“ そこで何が起きたのか? ”

ある日突然、彼らが送られたのは<飢餓収容所>だった。今、中国の闇が語られる。
『鉄西区』『無言歌』『三姉妹〜雲南の子』のワン・ビン、8時間を超える渾身の大作!

[解説]
 いまだ明らかにされていない中国史の闇、〈反右派闘争〉。1950年代後半、「我々は人民の自由な発言を歓迎する!」と中国共産党が主導した〈百家争鳴〉キャンペーンにのせられ、自由にモノを言ってみたら、〈右派〉と呼ばれ、55万人もの人が収容所に送られたのだ。そこに、大飢饉が重なった。「4500万人の死者を出した史上最も悲惨で破壊的な人災」(フランク・ディケーター著『毛沢東の大飢饉』)ともいわれる凄惨極まりない飢餓によって収容所は地獄と化した。カメラの前で語るのは、生還率わずか10%ともいわれた収容所を生き延びた者たち。2005年から2017年までに撮影された120人の証言、600時間に及ぶ映像から本作は完成した。
 背景や状況を提示し、収容所の扉を開ける第一部。飢餓の状況に衝撃がはしる第二部。そして右派を弾圧した側の証言者の重い問いかけと、死の間際にある人々の思いが壮絶にして崇高な第三部へ――。観客は、いつしかカメラを忘れ、自らが目撃者になるのだ。デジタルカメラ1台あれば、映画が世界と対峙できる時代に突入したと証明した『鉄西区』以来、たえず映画界を揺るがし続けてきたワン・ビン監督が、忘れ去られた死者の声を掘り返し、忘れるものかと撮りつづけた集大成である。

2018年カンヌ国際映画祭 特別招待作品
山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 大賞&観客賞《W受賞》
『死霊魂』
[2018年/フランス、スイス/カラー/506分(三部上映/第一部166分、第二部164分、第三部176分)]
監督・撮影:ワン・ビン
製作:セルジュ・ラルー、カミーユ・ラエムレ、ルイーズ・プリンス、ワン・ビン
原題:死霊魂
英語題:DEAD SOULS
日本語字幕:最上麻衣子(第一部)、新田理恵(第二部、第三部)
配給:ムヴィオラ
©LES FILMS D’ICI-CS PRODUCTIONS-ARTE FRANCE CINÉMA-ADOK FILMS-WANG BING 2018

◎海外レビュー

カンヌ国際映画祭公式作品史上最長の『死霊魂』は、圧倒的で、凄惨で、胸をえぐる。我々の時代の『ショア』である。
— Screen Daily —

これは爆発物だ!『死霊魂』は生き延びた人々の悲惨な証言によって、1950年代後半~ 1960年代初頭の中国で、辺境の収容所がいかにして作られ、運営され、何が起きたかを指し示す。
— The Hollywood Reporter —

証言の重みと存在にふさわしい8時間超えで語られる、パワフルで確固たる視点による検証。
— Variety —

記念碑的な集大成である。
— Sight & Sound —

ずっしりと、注意深く、厳格に。『死霊魂』は20世紀中国史の闇に光をあてた。
— Film Comment —

◎公式サイト:moviola.jp/deadsouls

◎鑑賞料金:特別興行作品につき、一律¥3,900。年パス等、一切の割引サービスが利用できません。

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