小さき麦の花

過去の上映作品
[上映日程]5/13~26(休映:5/15、22、25)

“ いつか土に還る ”

互いに家族から厄介払いされたふたりの永遠の愛の物語。
世界の批評家が賞賛、中国で〈奇跡〉とまで呼ばれた大ヒット作。

[INTRODUCTION]
ベルリン国際映画祭の星取りでは驚異の4.7点(5点が満点)をマークし、金熊賞最有力と絶賛されるも無冠。しかし、中国で公開されると、レビューサイトでも本年度中国映画ベスト1の評価を得てじわじわ広がり、公開後2ヶ月経ってからTikTokが火付け役となり、若い世代を中心に興行収入トップに躍り出る大ヒットを記録。<奇跡の映画>とまで呼ばれたのが、本作『小さき麦の花』である。ストーリーには貧しい農民として生きることの辛さが描かれている。にも関わらず、観客の胸に残るのは彼らの幸福、彼らの愛の美しさだ。そこにはリー・ルイジュン監督の過去作にもあった、リアリズムの中にふと現れるファンタジックな表現が大きく貢献している。本作でも、3人目の家族ともいうべきロバの仕草、ひよこを孵化させる段ボールの光、そして麦の種で互いの手の甲につくる花のしるしなど、ルイジュン監督らしい描写が素晴らしい。

[STORY]
2011年、中国西北地方の農村。貧しい農民ヨウティエ(有鉄)は、マー(馬)家の四男。両親とふたりの兄は他界し、今は三男・ヨウトン(有銅)の家に暮らしているが、息子の結婚を心配するヨウトン夫婦にとって、ヨウティエは家族の厄介者。一方、内気で体に障がいがあるクイイン(貴英)もまた厄介者だった。互いに家族から厄介払いされるかのように、ふたりは見合い結婚、夫婦になった。ぎこちなく、それでも互いを思いやり、作物を育て、日々を重ねていくふたり。ヨウティエのことをいつも気にかけるクイイン。そんな彼女の気持ちに愛おしさを覚えるヨウティエ。ある日、家を建てるためにヨウティエが作ったたくさんの日干しレンガが突然の大雨に襲われる。そんな不運さえもふたりには大切な日々となる。クイインは初めて会ったその日からヨウティエの優しさに気付いていたと話す。ロバと、ヨウティエと、クイインと。力を合わせ、毎日懸命に働き、ついに自分の家をもった。だが、その幸福は長くは続かなかった──。

『小さき麦の花』
[2022年/中国/カラー/133分]G
監督:リー・ルイジュン
出演:ウー・レンリン、ハイ・チン
原題:隠入塵煙/英語題:RETURN TO DUST
字幕:磯尚太郎/字幕監修:樋口裕子
配給:マジックアワー、ムヴィオラ
©2022 Qizi Films Limited, Beijing J.Q. Spring Pictures Company Limited. All Rights Reserved.

[上映時間]

[公式サイト]
moviola.jp/muginohana

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