3月の鑑賞ガイド
皆様、いつも上田映劇へご来場いただき誠にありがとうございます。
春の足音が近づく3月。当館では、世界が注目する傑作の「Power Push!」から、独自のテーマで映画を深掘りする「今月の視点」、お祭り騒ぎの「応援上映」、そして子どもたちに映画の楽しさを伝える「週末こども映画館」まで、非常に充実したプログラムをご用意いたしました。
今月の見どころをひとまとめにした総合ガイドです。気になるトピックからぜひご覧ください。
【目次】
【3月のPower Push!】世界が刮目する2つの傑作
【特別プログラム】国際女性デー2026
【今月の視点①】映画が描く「とある1日」
【今月の視点②】映画で紐解く「医療と命の現在地」
【今月の視点③】声なき声が、響き合う場所
【イベント上映】王を称えよ!『バーフバリ エピック4K』&応援上映
【スポットライト】「世界ダウン症の日」特別上映『アハーン』
【スポットライト】『ショート・パルス 5つの鼓動』
【クラシック・リバイバル】時を超えてスクリーンに甦る傑作たち
【週末こども映画館】不思議な風船、かわいいパンダ、言葉を見つける少年
1. 【3月のPower Push!】世界が刮目する2つの傑作。ベルリン国際映画祭が讃えた「希望」と「現実」
当館が今月、総力を挙げて皆様にスクリーンでの鑑賞を強くお勧めする「3月のPower Push!」作品。今月は、奇しくも世界三大映画祭のひとつ「ベルリン国際映画祭」において、世界中から熱狂的な賛辞を浴びた2つの傑作を同時にお届けします。 映画が持つ「希望」と「現実」という2つの巨大な力を、ぜひ当館のスクリーンで体感してください。
■ アニメーションの新たな到達点『花緑青(はなろくしょう)が明ける日に』(四宮義俊監督)

新海誠監督や片渕須直監督の作品に参加してきた気鋭の日本画家・四宮義俊の監督デビュー作。フランスの気鋭スタジオとの日仏共同製作である本作は、第76回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されるという快挙を成し遂げました。
立ち退きを明日に迫られた老舗の花火工場を舞台に、幼馴染たちが幻の花火<シュハリ>を打ち上げるという驚きの計画を立てます。運命を変える花火が打ち上がるラスト10分、彼らが掴む未来を見届けてください。
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■ 交錯する世界の現在地『ホールディング・リアット』(ブランドン・クレーマー監督)

第75回ベルリン国際映画祭で「最優秀ドキュメンタリー賞」に輝いた、世界中が今最も注視すべきドキュメンタリー作品です。
ハマスによる襲撃でガザへ連れ去られた娘を救うため、父イェフダは奔走しますが、そこで人質家族の存在が戦争継続の「理由」として政治利用されている残酷な現実に直面します。家族の無事を祈る切実な願いを軸に、いま私たちが直面している世界の「現在地」を鋭く問いかけます。
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2. 【特別プログラム】国際女性デー2026

3月8日の「国際女性デー」に合わせ、当館でも特別なプログラムをご用意しております。詳細は特設ページをご覧ください。
※「国際女性デー2026 特別プログラムの詳細はこちら
3. 【今月の視点①】映画が描く「ある1日」

時間を「ある1日(数時間)」に限定することで濃密になった人間ドラマ。パニック、哲学、すれ違いなど、全く異なる「1日」を追体験してください。
■ 3/13〜 『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』
お葬式を舞台に、両親、元カノ、そして「パパ活相手」が次々と現れる!気まずさとプレッシャーが頂点に達する、パニックと自己崩壊の決定的な数時間。
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■ 3/13〜 『私たちの一日』
韓国の名匠ホン・サンス監督作。休業中の女優と老詩人、交わりそうで交わらない二人の「ある1日」を通して、何気ない瞬間に潜む人生の真理が浮かび上がります。
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■ 3/13〜 『川沿いのホテル』
同じくホン・サンス監督がモノクロ映像で紡ぐ冬の一日。死の予感を抱く老詩人とすれ違う息子たち、そして失恋した女性。孤独な時間がホテルで交錯する至極の会話劇です。
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■ 3/20〜 『ナースコール』
スイスの州立病院を舞台に、一人の看護師に降りかかる過酷な「遅番シフト」の90分間を描いたスリリングな社会派ドラマです。
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4. 【今月の視点②】映画で紐解く「医療と命の現在地」

私たちが生きていく上で切り離すことのできない「医療」。時代も作風も国も異なる作品を通して、医療システムの輪郭を立体的により深く見つめます。
■ 3/13〜 『たしかにあった幻』
日本の失踪者と「小児心臓移植」の現実を重ね合わせた人間ドラマ。愛する人の失踪と臓器移植という命のバトンを通して、日本の倫理観を静かに揺さぶります。
(※関連上映として、4月には日本の失踪の実態に迫るドキュメンタリー『蒸発』の上映を予定しています)
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■ 3/20〜 『ナースコール』
人手不足の満床病棟、絶え間なく続く夜勤の激務。一人の献身的な看護師に次々とトラブルが降りかかる90分は、まるでサスペンスのよう。私たちが患者として訪れるだけでは見えない「医療崩壊のリアル」を目撃してください。
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■ 3/27〜 『医の倫理と戦争』
第二次世界大戦下、人体実験を繰り返した「731部隊」。彼らはいかにして戦後の医学界の中心に上り詰めたのか。「医の倫理」を掲げる現代の医療従事者たちの姿を通して未来の命を守る真実を提示します。
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5. 【今月の視点③】声なき声が、響き合う場所〜手話、外国語、そして私たちの「話し方」〜

手話、口話、そして異なる国の言語。「言葉の壁」や「コミュニケーションのあり方」に真正面から向き合った作品たちです。
■ 3/20〜 『ぼくの名前はラワン』
生まれつき耳が聴こえないクルド人の少年ラワン。難民としてイギリスへ渡った彼が、ろう学校で初めて「手話」という言語に出会い、目覚ましい成長を遂げていく姿を追った珠玉のドキュメンタリーです。彼にとって言葉とは、文字通り「自由」そのもの。深い感動に包まれる一作です。
(※関連上映として、5月には日本の入管問題に切り込んだ劇映画『イマジナリーライン』の上映を予定しています)
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■ 3/20〜 『みんな、おしゃべり!』(字幕付き上映)
日本の「ろう者」一家と、新しく越してきた「クルド人」一家が大混戦!CODAである監督が日本手話とクルド語を題材に描いた「消滅危機言語コメディ」です。
本作には、ノンフィクション作家の田村志津枝さんより「人間と人間、ぶつかり合えば面白いことが起きるさ」と背中を押してくれる特別レビューをご寄稿いただきました。ぜひ以下のリンクよりご覧ください。
※田村志津枝さんの PICK UP MOVIE ! “そうだそうだ、たくさんしゃべって、ぶつかりあおう” はこちら
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■ 4/3〜 『私たちの話し方』
香港で大ヒットを記録した青春群像劇。人工内耳をつける者、手話話者であることに誇りを持つ者。異なる環境で育った3人のろう者の若者たちが、「自分だけの話し方」を模索していきます。
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6. 【イベント上映】王を称えよ!『バーフバリ エピック4K』&応援上映

映画館の暗闇が、熱狂のるつぼと化す。全世界に旋風を巻き起こした史上最大の叙事詩が、1本の傑作『バーフバリ エピック4K』となってスクリーンに帰還します。さらに公開を記念し、上田映劇の“原点”とも言える「応援上映」の開催が決定いたしました!
■ 未公開シーン追加!全編を貫く「225分」の新たな伝説
創造神S.S.ラージャマウリ監督自らが新たなコンセプトで再編集し、未公開シーンや新録ナレーションを追加。三代に渡る熱すぎる壮大な愛と復讐の物語が、1本の傑作として転生しました。圧倒的な没入感とともに駆け抜ける、血沸き肉躍る225分(※途中休憩あり)を体感してください!
■ すべてはここから始まった。上田映劇「応援上映」再び!
当館初の「応援上映(当時は絶叫上映)」作品であった『バーフバリ』。再びこの劇場でお祭りを開催できる喜びを噛み締めています。拍手、手拍子、鳴り物、光り物、そして王を称える声援。準備はよろしいでしょうか?バーフバリ!ジャイホー!
※応援上映 詳細・ご予約ページはこちら
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7. 【スポットライト】「世界ダウン症の日」特別上映『アハーン』

毎年3月21日は国連が定めた「世界ダウン症の日」です。当館では毎年恒例となっているこの時期の関連上映として、今年は3月20日(金)よりインド映画『アハーン』をお届けします。
主人公は、ダウン症のある25歳の青年アハーン。両親の過剰な配慮から自立を願う彼と、気難しい中年男・オジーとの間に奇妙な協力関係が生まれる、ユーモアと温かさに満ちた「サバイバル・コメディー」です。観終わった後、きっと明日が少し楽しみになるチャーミングな1本です。
8. 【スポットライト】奇跡の61分『ショート・パルス 5つの鼓動』

2時間スクリーンと向き合う長編とは違う、短い時間にすべてが凝縮された「ショートフィルム」の鋭い魅力。3月20日(金)より上映の『ショート・パルス 5つの鼓動』は、現代映画を牽引する世界中の監督たちによる珠玉の短編映画5本を束ねた奇跡のプログラムです。
■ 観る回で体験が変わる「ヴァリアブル上映」
ヨルゴス・ランティモス、ジョナサン・グレイザー、アリーチェ・ロルヴァケル、空音央。いま最も見逃せない監督たちの5作品を、上映回ごとに「上映順」を入れ替える<ヴァリアブル上映>方式でお届けします。順番によって全く異なる感触を残す前代未聞の映像体験をぜひご堪能ください。
9. 【クラシック・リバイバル】時を超えてスクリーンに甦る傑作たち

最新の4Kデジタル修復技術で色彩を取り戻した作品から、幻のアクション、見落とされていた女性作家の再発見まで。時代を超えて今なお強烈な光を放つリバイバル作品を特集いたします。
■ 3/6〜19 『ネリーに気をつけろ!ネリー・カプラン レトロスペクティヴ』
パブロ・ピカソを仰天させた不世出の映画作家、ネリー・カプラン。美術や文学への深い造詣に裏打ちされた、知的で破壊的な喜劇闘争。彼女の世界に酔いしれてください。
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■ 3/6〜12 『赤い風船 4K』『白い馬 4K』(アルベール・ラモリス監督)
初公開から約70年。伝説の映像詩人アルベール・ラモリス監督の名作が4Kで甦ります。パリを漂う不思議な赤い風船と少年の交流を描いた『赤い風船』と、南仏の白馬と少年の絆を綴った『白い馬』。CGの無い時代のポエティックな映像美に癒される2本立てです。
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■ 3/13〜 『ポーラX』(レオス・カラックス監督)
フランスの鬼才レオス・カラックス最大の衝撃作が4Kレストア版で登場。異母姉を名乗る女性の出現により、すべてを捨てて破滅的な愛へと疾走していく青年の姿を、エモーショナルな映像と音で描き出します。
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■ 3/27〜4/2 『ジャグラー/ニューヨーク25時 4K修復版』
権利問題から長らく観られず「幻の傑作」と呼ばれていた犯罪アクションが遂に復活!70年代のニューヨークを舞台に、愛娘を誘拐された元警官が体ひとつで犯人を追う、ノンストップ奪還劇です。
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10. 【週末こども映画館】不思議な風船、かわいいパンダ、言葉を見つける少年

中学生までの年代の子どもたちへ、「この年代のうちにスクリーンで出会ってほしい映画」をお届けする当館オリジナルの上映プログラムです。(※鑑賞料金:高校生以下500円。一般の大人の皆様もご鑑賞いただけますが、子どもたちの素直な感情表現へのご理解をお願いしております)
■ 3/6〜12 『赤い風船 4K』『白い馬 4K』(2本立て上映)
CGのない時代に作られた、まるで魔法のような映像美!パリの街を漂う不思議な「赤い風船」や、南仏の気高い「野生の白馬」と少年たちの絆を描いた名作2本立てです。
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■ 3/9〜 『パンダのすごい世界』(日本語吹替版)
白黒模様でまるまるしたジャイアントパンダの一生に密着!赤ちゃんパンダの誕生から野生へ帰るための訓練など、知られざるパンダの生態に迫るドキュメンタリーです。(※日本語版ナレーション:遠藤憲一)
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■ 3/20〜 『ぼくの名前はラワン』
耳が聴こえないクルド人の少年ラワンが、イギリスのろう学校で生まれて初めて「手話」と出会い、自分の言葉を見つけていく感動のドキュメンタリーです。(【文科省選定作品】)
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劇場から
時代も国籍もジャンルも異なる多様な作品たちをご紹介してまいりましたが、これらはすべて「今、この時代に、映画館のスクリーンで出会ってほしい」という強い思いで編成したプログラムばかりです。
映画館の暗闇の中で他者と共有した時間は、皆様の中でかけがえのない記憶に変わるはずです。春の足音が近づくこの季節、ぜひ上田映劇で特別な映画体験をお楽しみください。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。
