オー・パン・クぺ【順次公開】

今後の上映作品
[上映日程]順次公開

“ 時が止まったカフェに、愛の残響だけが揺れる——— ”

[STORY]
亡き恋人ジャンを思い返しながら、今も彼の記憶と共に生きるジャンヌ。社会の秩序やブルジョワ的世界を拒み、ビート族の世界にも居場所を見出せず、やがて死を選んだジャン。彼の死を知らぬジャンヌには、いつまでも彼が寄り添い、亡霊のように存在し続ける。

[INTRODUCTION]
死を選んだ亡き恋人との記憶と共に生きる女性を描いた長編映画二作目。ジャンヌ(マーシャ・メリル)の凛とした美しさ。ジャン(パトリック・ジョアネ)の純粋無垢な危うさ。印象的なタイトルは、二人の思い出が詰まった待ち合わせのカフェの名に由来する。現在をモノクロと追想の断片をカラーで紡ぐ映像に包まれたこの作品は、愛の記憶と不在の痛みをめぐる、繊細でメランコリックな詩編のように私たちの心を震わせる。作家・映画監督のマルグリット・デュラスが「映画においてかつてなかった愛の表現」と絶賛した。失われた愛の記憶は、時を超えて形を変えながら私たちの中に生き続ける。『オー・パン・クペ』は、その永遠の残響をそっと聴かせてくれる。

「この作品での愛はベッドでの抱擁によって語られるものではない。愛は顔によって想起される ── 繰り返し映し出される女性の顔、視線。それはただただ感嘆させられる。こうした試みはこれまで一度も映画でなされたことはないだろう」
── マルグリット・デュラス

『オー・パン・クぺ』Au pan coupé
[1967年/フランス/フランス語/モノクロ・カラー/68分]
監督・脚本:ギィ・ジル
撮影:ジャン=マルク・リペール、ウィリー・クラント
音楽: ジャン=ピエール・サロ
録音:ミシェル・ファノ
編集:ジャン=ピエール・デフォッセ
出演: マーシャ・メリル、パトリック・ジョアネ、ジャン・ドワ・ベルナール、ピエール・フレデリック・ディティス、リリ・ボンタン
配給:クレプスキュール フィルム
©1968 Machafilm

[公式サイト]
guy.crepuscule-films.com

[上映時間]
*準備中

ギィ・ジル

1938年、アルジェリアの首都アルジェに生まれ。幼い頃から映画に魅せられ、20歳で13分の初の短編『消された太陽』(1958)を監督。アルジェリア戦争下の1960年、パリへ移住。ピエール・ブロンベルジェの支援を受けて短編を数本手がけるなか、『Au biseau des baisers』(1959)がジャン=ピエール・メルヴィルの目に留まり、初の長編『海辺の恋』(1963)へと結実した。製作に3年を費やしたこの自伝的作品は、ロカルノ映画祭で批評家賞を受賞し、静かな注目を集める。撮影中に出会った俳優パトリック・ジョアネは、以後の人生と創作において、かけがえのない存在となる。長編第2作目『オー・パン・クペ』(1967)は、脚本に心を打たれたマーシャ・メリルが自ら製作会社を設立し完成。マルグリット・デュラスが「映画においてかつてなかった愛の表現」と絶賛した。第3作『地上の輝き』(1969)はイエール映画祭グランプリ、第4作『反復される不在』(1972)はジャン・ヴィゴ賞を受賞。ジャンヌ・モローの声が全編を包み込むこの作品は、彼の最も美しく、最も悲しい映画として知られる。その後も、デルフィーヌ・セイリング、サミー・フレイ、ジャンヌ・モローらを迎えた『Le Jardin qui bascule』(1974)、パトリック・ジョアネとの関係に終止符を打つ『夜のアトリエ』(1987)など、詩的かつきわめて個人的な作品を撮り続けた。1980年代末、病に倒れエイズを発症。1996年2月3日、57歳で逝去。生前はほとんど知られることがなかったが、2000年代以降、ラ・ロシェル映画祭やルサス映画祭、シネマテーク・フランセーズなどで回顧上映が相次ぎ、再評価の機運が高まった。

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