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そしてキアロスタミはつづく デジタル・リマスター版特集上映【1/29~2/18】*「週末こども映画館」対象作品/「うえだ子どもシネマクラブ」上映予定作品

今後の上映作品
[上映日程]1/29~2/18(休映:1/31、2/7、14)

キアロスタミは永遠に。世界に愛されたイランの巨匠、原点をさぐる旅。

イラン映画の巨匠アッバス・キアロスタミ監督の生誕81年、没後5年を記念して、世界中で愛されるジグザク道三部作を中心に、初期の珠玉の名作がスクリーンによみがえる。

[上映作品]
『トラベラー』(1974)
『友だちのうちはどこ?』(1987)
『ホームワーク』(1989)
『そして人生はつづく』(1992)
『オリーブの林をぬけて』(1994)
『桜桃の味』(1997)
『風が吹くまま』(1999)

提供:WOWOWプラス
配給:ユーロスペース
宣伝:大福

[公式サイト]kiarostamiforever.com

[鑑賞料金]
一般1,500円/*その他通常通り

[鑑賞特典]
上映期間中、2回ご鑑賞ごとにオリジナル・ポストカードを1種づつ、全7作品ご鑑賞でオリジナル・トートバッグをプレゼント。ただし、特典在庫がなくなり次第終了となります。予めご了承ください。


[上映作品紹介]

『トラベラー』
[1974年/イラン/モノクロ/72分]
出演:ハッサン・ダラビ、マスウード・ザンドベグレー
監督・脚本:アッバス・キアロスタミ
原案:ハッサン・ラフィエイ
撮影:フィルズ・マレクザデエ
編集:アミール・ホセイン・ハミ
録音:アハマッド・アスカリ
音楽:カンビズ・ロシャンラヴァン
(C)1974 KANOON

75年第9回テヘラン国際児童映画祭・審査員金賞
93年山形国際ドキュメンタリー映画祭・特別招待作品

[作品紹介]
サッカーに夢中な少年の、可笑しくもせつない冒険譚。キアロスタミ監督の瑞々しい長編デビュー作。
小学校に通う10歳のガッセムは、サッカーに夢中なあまり宿題も授業もさぼりがちで、いつも先生や母親に叱られてばかりいる。そんな彼の夢は、テヘランで開催されるサッカーの試合を見に行くこと。そのためには、テヘランまでのバス代とチケット代が必要だ。サッカーのためなら嘘も盗みも厭わないガッセムは、友達のアクバルを道連れに、あの手この手でお金を稼ごうとする。果たして彼は無事サッカーの試合を見ることができるのか…?チケットを求めて走り回るガッセム少年の姿を瑞々しく描き出した、キアロスタミ監督の記念すべき長編デビュー作。少年の大胆不敵さに笑いながらも、彼の一途な思いにどこか哀切を感じずにいられない、可笑しくもせつない冒険譚。

[上映日程]


『友だちのうちはどこ?』
[1987年/イラン/カラー/83分]
出演:ババク・アハマッドプール、アハマッド・アハマッドプール、ホダバフシュ・デファイ、イラン・オタリ
監督・脚本・編集:アッバス・キアロスタミ
撮影:ファルハッド・サバ
録音:ジャハンギール・ミルシェカリ
美術:レザ・ナミ
(C)1987 KANOON

87年ファジル国際映画祭・最優秀監督賞、最優秀録音賞、審査員特別賞
89年ロカルノ国際映画祭・銅豹賞、国際批評家賞、芸術協会賞、国際芸術映画同盟賞、国際キリスト教協会賞

[作品紹介]
友だちの家を探して、少年は必死で駆けていく。子どもの純朴さと不安をリアルに映し出した至福の傑作。
イラン北部の小さな村。同級生モハマッド=レザのノートを間違えて持ち帰ってしまったアハマッド少年。「ノートを忘れたら退学だ」という先生の言葉を思い出したアハマッドは、ノートを届けに、遠く離れた友だちの家へと走り出す。何度も道に迷い、大人たちに翻弄されるアハマッド少年の不安げな表情が、のどかな風景のなか実にスリリングに映し出される。職業俳優を使わず、村の住人や子どもたち、実際の家や学校を用いて撮影するキアロスタミの撮影スタイルを象徴する作品であり、キアロスタミの名を世界各国に知らしめた、映画史上に輝く傑作。アハマッドが何度も走り抜ける「ジグザグ道」の風景は、その後の作品にも受け継がれていく。

[上映日程]


『ホームワーク』
[1989年/イラン/カラー/77分]
出演:シャビッド・マスミ小学校の生徒と親たち、アッバス・キアロスタミ(インタビュアー、ナレーション)
監督・編集:アッバス・キアロスタミ
撮影:イラジ・サファヴィ
録音:アハマッド・アスカリ
音楽:モハマッド=レザ・アリゴリ
(C)1989 KANOON

[作品紹介]
インタビューを通して見えてくる子どもたちの多彩な顔と言葉。宿題をテーマにした傑作ドキュメンタリー。
『友だちのうちはどこ?』で高い評価を得たキアロスタミが次に手がけたのは、宿題と学校教育をめぐるドキュメンタリー。イランの子どもたちはいつもたくさんの宿題に追われていると感じたキアロスタミは、自らインタビュアーとなり、小学校の生徒たちや親たちへ、「宿題」をめぐって次々に質問をする。「なぜ宿題をしてこなかったの?」「誰が宿題を見てくれるの?」その答えから見えてくるのは、それぞれの複雑な家庭事情。家の手伝いに追われて宿題ができない子。宿題を見てあげようにも読み書きのできない親。そうして徐々にイランの教育制度の持つ問題点が浮き彫りになる。社会への警鐘を鳴らしながら、子どもたちの多彩な顔や言葉を見事に記録した傑作。

[上映日程]


『そして人生はつづく』
[1992年/イラン/カラー/95分]
出演:ファルハッド・ケラドマンド、プーヤ・パイヴァール、ハドーバル及びロフタマバードの住民
監督・脚本・編集:アッバス・キアロスタミ
撮影:ホマユン・パイヴァール
録音:ハッサン・ザヘディ、チャンギス・サイヤッド
ミキシング:チャンギス・サイヤッド
製作:アリ=レザ・ザリン
(C)1991 KANOON

92年カンヌ国際映画祭・ある視点部門、ロッセリーニ賞
92年東京国際映画祭・インターナショナル・コンペティション正式出品

[作品紹介]
『友だちのうちはどこ?』の少年たちを探す監督親子の旅
大地震の起きたイランで見つけたのは、生きることへの希望

1990年、イラン北部で起きた大地震は、『友だちのうちはどこ?』を撮影した村にも容赦なく襲いかかった。地震後、キアロスタミは映画に出演した兄弟の安否を確認しに、息子を連れて被災地へ向かう。本作は、その時の経験をそのままに再現。撮影は地震から半年後に実際の被災地で行われ、監督役には当時イランの経済庁で働いていた男が抜擢された。「私の映画に出ていた子たちを知ってる?」。車に乗り、少年たちを探しまわる監督親子の奇妙なロードムービー。そこには、地震で崩壊した村の悲惨な現状がまざまざと映し出される一方で、人間のたくましさと生きることへの希望が刻まれている。『友だちのうちはどこ?』と『オリーブの林をぬけて』をつなぐ重要作。

[上映日程]


『オリーブの林をぬけて』
[1994年/イラン/カラー/103分]
出演:ホセイン・レザイ、タヘレ・ラダニアン、モハマッド=アリ・ケシャヴァーズ、ザリヘ・シヴァ、ファルハッド・ケラドマンド
製作・監督・脚本・編集:アッバス・キアロスタミ
撮影:ホセイン・ジャファリアン、ファルハッド・サバ
音楽:マハムード・サマクバシ
ミキシング:チャンギス・サイヤッド
助監督:ジャファール・パナヒ
(C)1994 Ciby 2000 – Abbas Kiarostami

94年カンヌ国際映画祭・コンペティション正式出品
94年ロカルノ国際映画祭・特別招待作品

[作品紹介]
映画づくりの裏にはいつもドラマが隠されている
『友だちのうちはどこ?』『そして人生はつづく』に続く「ジグザグ道三部作」完結

『そして人生はつづく』の1シーンで、地震の数日後に結婚したという若夫婦。だが実際に夫役を演じた青年ホセインは、以前、妻役のタヘレにプロポーズし断られていた。ふたりの過去を知ったキアロスタミは、このエピソードをもとに映画をつくることを決意。前二作に登場した村、そしてジグザグ道を舞台に、再び至福の映画が誕生する。結婚を諦めきれないホセインと決して彼の言葉に応えようとしないタヘレ。果たして彼女の気持ちはどこにあるのか…?映画内映画という入れ子細工のような構成のなかで、虚構と現実の境界線はどこまでも曖昧になっていく。映画製作の裏側で巻き起こるドラマをユーモアたっぷりに描き出す、キアロスタミ流ラヴストーリー。

[上映日程]


『桜桃の味』
[1997年/イラン・フランス/カラー/99分]
出演:ホマユン・エルシャディ、アブドルホセイン・バゲリ、アフシン・バクタリ、アリ・モラディ、ホセイン・ヌーリ
監督・脚本・製作・編集:アッバス・キアロスタミ
撮影:ホマユン・パイヴァール
録音:ジャハンギール・ミルシェカリ、モハマッド・レザ・デルパック
助監督:ハッサン・イェキタ、バフマン・キアロスタミ
(C)1997 Abbas Kiarostami

97年カンヌ国際映画祭・パルムドール

[作品紹介]
97年カンヌ国際映画祭・パルムドール受賞
巨匠アッバス・キアロスタミの名前を不動のものにした不朽の名作!

土埃が舞う道中、一台の車を運転する中年男バディ。彼は、街ゆく人々に声をかけ、車のなかに誘い入れてはある奇妙な仕事を持ちかける。「明日の朝、穴の中に横たわった自分に声をかけ、返事があれば助けおこし、返事がなければ土をかけてほしい。そうすれば大金を君に渡そう」。人生に絶望したバディの自殺幇助の頼みを、車内に招かれた、クルド人兵士、アフガン人の神学生らはみな拒絶する。だが最後に乗せたひとりの老人は、生きることの喜びをバディに語って聞かせるのだったーー。一台の車のなかで展開される生と死をめぐる果てない会話。自殺という深遠なテーマを扱った物語は、やがて思いもかけぬラストと共に、見る者に生の喜びと人生の美しさを教えてくれる。

[上映日程]


『風が吹くまま』
[1999年/イラン・フランス/カラー/118分]
出演:ベーザード・ドーラニー、ファザード・ソラビ
監督・脚本・製作・編集:アッバス・キアロスタミ
原案:マハムード・アイェディン
撮影:マハムード・カラリ
音楽:ぺイマン・ヤズダニアン
サウンド編集:マハマッド・ハッサン・ナジム
録音:ジャハンギール・ミルシェカリ
助監督:バフマン・ゴバディ
製作:マラン・カルミッツ
(C)1999 MK2 PRODUCTIONS-ABBAS KIAROSTAMI

99年ヴェネチア国際映画祭審査員グランプリ受賞

[作品紹介]
小さな村を訪れたテレビ・クルーの男たち
引き延ばされた死の瞬間は、人生の妙味と喜びを与えてくれる

テヘランから、クルド系の小さな村を訪れたテレビ・クルーたち。彼らは独自の風習で行う村の葬儀の様子を取材しに来たのだが、村を案内する少年ファザードには自分たちの目的を秘密にするよう話して聞かせる。男たちは、危篤状態のファザードの祖母の様子をうかがいながら、数日間の予定で村に滞在する。だが数週間経っても老婆の死は訪れず、ディレクターのベーザードは、予定外の事態に苛立ちを募らせる。麦畑に囲まれた美しい風景のなかで繰り広げられる、主人公と個性豊かな村人たちとのユーモア溢れるやりとり。死を待つ時間という特異な瞬間を写し、キアロスタミの人生哲学をたっぷりと堪能できる一作。1999年ヴェネチア国際映画祭審査員グランプリ受賞作。

[上映日程]


監督略歴
Abbas Kiarostami
アッバス・キアロスタミ
1940年6月22日、イランのテヘランで生まれる。幼い頃から絵を描くことに強い興味を示し、18歳の時にグラフィック・アートのコンテストに応募、優勝を果たす。テヘランで美術学校に学びながら、グラフィック・デザイン、ポスターのイラスト、CFの監督といった仕事をして生計を立てていたが、1969年、児童青少年知育協会の映画部門を創設。そこで最初の短篇映画を監督する。
その処女作品『パンと裏通り』(70年)で、キアロスタミは映像の重要性、そしてリアリズムとフィクションの関係性を探っている。その後、長きにわたる一連の短篇・中篇で、自らが好んだ“幼少期の世界”というテーマを表現し、その過程で、物語映画とドキュメンタリーの間の微妙なバランスを保つ自分のスタイルを確立するようになる。『ホームワーク』(89年)はその最後の“幼年期映画”であり、イラン社会の深刻な問題を静かに告発しながらも、詩的で心温まる作品となっている。
つづく『クローズ・アップ』(90年)で、キアロスタミは新たなページを開く。1週間にも満たない短い期間で、あるニュースの実話を元に、主だった登場人物をその本人である実在の人物に演じてもらい、現実をフィクションの領域に導入した作品に仕上げてみせたのである。それに先立つ『友だちのうちはどこ?』(87年)で始まった“ジグザグ道三部作”が、次の二作品『そして人生はつづく』(92年)と『オリーブの林をぬけて』(94年)で完結。後者では、イラン北部で実際に起きた地震の破壊的な影響が、映画という虚構を露わにしている。

『桜桃の味』(97年)は、キアロスタミが自分自身へと目を向けた作品であり、カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞、映画賞受賞監督の仲間入りを果たした作品でもある。映画は自殺願望にとりつかれた50歳男性の物語を語りながら、個人の自由を讃える頌歌となっており、批評家からは高く評価されたものの、イラン国内の宗教的権威からは非難を浴びた。思索的でゆっくりとしたテンポ、複雑さを排した筋立て、ペルシャの詩と西洋の哲学への目配せといった、監督のトレードマークが並ぶ、キアロスタミならではのオリジナルな作品である。また、大雑把に書かれた脚本や素人俳優の起用、自身による編集などは、彼の即興への関心に根差したものだといえる。次作『風が吹くまま』(99年)は、都市生活者の一行が田舎の村に何かを探しに行くというストーリーで、これも監督のユニークなスタイルを示す一例である。

2001年以降、キアロスタミは小型のカメラを好むようになり、その結果、デジタル作品のみを手掛けることになる。この自分にとっての≪カメラ万年筆≫によって、より大きな自由を得た彼は、それを使って様々な長さの自然主義的作品を監督した。たとえば、『ABCアフリカ』(01年)、『10話』(02年)、『5 five ~小津安二郎に捧げる~』(03年)、「10 on Ten」(04年)、『シーリーン』(08年)などがそうである。

2009年、再びフィクションへと戻ったキアロスタミは、初めて母国イランを離れイタリアで『トスカーナの贋作』を制作する。主演に国際的女優ジュリエット・ビノシュを起用した本作はカンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞した。イタリアに続き、『トスカーナの贋作』のような制作体制で臨んだ『ライク・サムワン・イン・ラブ』は、キアロスタミを日本という新たなる発見の世界へと導いた。2016年には今度は中国での撮影を予定していたが、同年7月4日、入院先のパリの病院で急逝。76歳だった。2017年、映画と写真の統合を試みた実験的な作品『24フレーム』が彼の死後に完成、公開された。

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