裸体【4/24~30】*成澤昌茂監督追悼上映/特別興行作品/フィルム上映

今後の上映作品

本年2月13日に亡くなった、上田市出身者としては初の映画監督で名脚本家・成澤昌茂の追悼上映企画です。監督が残した5本の長編映画の中から、現在上映可能な全3作品を全作フィルム上映します。

[上映日程]4/24~30(休映:4/26)

“ 男はみんな云うんだよ…あたいの体は申し分なしだって……芸術だってさ! ”

[解説]
永井荷風原作から「お吟さま(1962)」の成澤昌茂が脚色・監督した文芸ドラマ(監督第一作)。撮影は「あの橋の畔で」の川又昂。

[あらすじ]
岡村左喜子は家業の銭湯の手伝いを嫌って、銀座にある税理事務所に勤めていた。所長の佐々木は、小企業主を相手に脱税の方法を教えあくどく儲けている。ある日、左喜子は佐々木に金が紛失したと疑いをかけられた。これは佐々木の常套手段で、同僚の君子もこの手で彼の毒牙にかけられていた。これがキッカケとなって左喜子は佐々木に囲われる身となった。翌日、左喜子はF市の漁師町にある家に帰った。薄暗い釜場では幼い弟妹立ちが騒ぎ廻り、父親の清助は毎日廻収にくるガメツイ経営者の倉田に泣き言ばかりを並べ、母のもよは忙しく働いていた。左喜子を真剣に愛している漁師の宗太は、結婚を申込んでくるが、彼女はうけつけない。左喜子はじめじめと活気のないこの町が大嫌いなのだ。そんなうちに、佐々木は不正監査と税務署汚職がばれて警察にあげられてしまった。左喜子は、以前退屈まぎれに習っていたバレエの教師津田の紹介で、ある料亭の秘密クラブで働くことになり、そこで代議士の兵藤と知り合った。同じクラブで働くマリー・エンジェルから、左喜子は女の体の価値というものを知らされ、自分の体に物凄い自信をもつようになった。そして、間借り先の小母さんと銭湯に行き自分の美しさをだれにでも誇示した。「男はみんな女の裸が好きなんだよ。あたいみたいに芸術的な身体をしていると、沢山お金は入ってくるしね」とうそぶく左喜子は、自分から進んで男に近づいて行く女になっていた。男の口笛、その方へ自然と流れる左喜子の目。また別な口笛、左喜子は流し目を送る。夜の舗道を靴音高く歩き続ける左喜子の誇り高く愛くるしい顔は、涙のあとをみせて、哀れにもいじらしかった。

『裸体』
[1962年/日本/カラー/シネスコ/85分]
監督・脚本:成澤昌茂
原作:永井荷風
製作:白井昌夫、若槻繁
撮影:川又昂
照明:三浦礼
音楽:武満徹、岩佐譲
主題歌:ビクター・レコード
出演:嵯峨三智子、川津祐介、千秋実、杉浦直樹、長門裕之、宝みつ子、松尾和子、進藤英太郎、山田五十鈴、菅井一郎、浦辺粂子、飯田蝶子
製作:文芸プロダクションにんじんくらぶ
配給:松竹

◎[鑑賞料金]
特別鑑賞料金(一般)¥1,500/(シニア)¥1,200/(大学生)¥1,000/(高校生以下)¥500/映劇会員一律¥1,000(年パス不可) 
*回数券、福利厚生券、招待券、MTAチケット及び一切の割引サービスが利用できません。

成澤昌茂(なるさわまさしげ)
1925年生まれ。長野県上田市出身。1941年、溝口健二の内弟子となる。1944年、日本大学芸術学部卒業。1947年、脚本家として出発。溝口健二監督「赤線地帯」(1956年)などの脚本を執筆。1958年、松竹会長大谷竹次郎の知遇を得て舞台劇に転出。1962年、「裸体」で映画監督に転出。「四畳半物語 娼婦しの」(1966年)「花札渡世」(1967年)、「妾二十一人 ど助平一代」(1969年)、「雪夫人繪圖」(1975年公開)を監督。1977年以降、舞台劇の演出、脚本に専念。2021年2月13日、老衰のため死去。

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