手塚治虫 × 手塚眞 短編アニメ特集 *「週末こども映画館」第9回選定作品

過去の上映作品
[上映日程]2/6~7、13~14、20~21、27~28 *2月の週末限定上映 | 毎回午前の上映となります

上田市に家族のルーツを持つ手塚眞監督の最新作『ばるぼら』と、公開20周年を迎えた『白痴』(編集は上田市マルチメディセンターで行われた)の上映を記念して、漫画家で実父の手塚治虫と手塚眞監督によって生み出された珠玉の短編アニメ特集を「週末こども映画館」枠で開催します。上映作品は、手塚治虫の一生(少年期・青年期・壮年期)をモデルにした3部作(『オサムとムサシ』『都会のブッチー』『クミとチューリップ』)と、チャイコフスキーの『交響楽第4番』(『ある森の伝説』)からイメージを想起された二つの作品(『森の伝説 第一楽章/第四楽章』『森の伝説 第二楽章』)です。こどもだけではなく大人も楽しめる内容となっております。この機会にぜひご鑑賞ください。

『オサムとムサシ』
[1994年/日本/18分]
原作・監修:手塚眞
監督:りんたろう
絵コンテ:平田敏夫
演出:うえだひでひと
音楽:冨田勲
キャラクターデザイン・作画監督:杉野昭夫
美術監督:西田稔
色彩設定:岡野強
撮影監督:高橋宏固、野口肇
編集:清水達正
特殊技術:安田隆亘
編集:森田清次(森田編集室)
プロデューサー:清水義裕、中村正雄、久保田稔
製作:宝塚市立手塚治虫記念館
(C)手塚プロダクション

[作品紹介]
手塚治虫記念館のために作られたアニメーションで、記念館全体のテーマである「生命・自然」を少年時代の手塚治虫と彼のペンネームの由来ともなった甲虫のオサムシとの交流を通して語ります。懐かしい自然の美しさが詩情豊かに描かれています。

『都会のブッチー』
[1995年/日本/13分]
監修・原案:手塚眞
プロデューサー:清水義裕、久保田稔
監督:山本暎一
作画監督:杉野昭夫
美術監督:阿部行夫
音楽:谷川賢作
撮影監督:高橋宏固
仕上検査:岡野強
撮影:高橋プロダクション
製作:宝塚市立手塚治虫記念館
(C)手塚プロ

[作品紹介]
手塚治虫記念館のために作られたオリジナル・アニメーションの第三弾です。今回は手塚治虫の原作ではなく、手塚治虫自身についてのアニメでもありません。手塚治虫をモデルにしたと思われる魔法のチョークを持った、絵が上手な少年を主人公にした物語となっています。孤独な少年ブッチーと、華やかなショーの世界で生きているマーガレットとの出会いと交流。そして魔法のチョークで描かれて行く豊かな自然。そんなファンタジーの原作を書いたのが、手塚眞です。

『クミとチューリップ』
[2015年/日本/15分]
総監督:手塚眞
監督:吉村文宏
キャラクターデザイン:杉野昭夫
作画監督:中村路之将
美術監督:河野次郎
作画監督補佐:瀬谷新二
若手原画:三浦菜奈、山田桃子、小橋弘侑、角谷知美、西村生美、小柏奈弓、小野玲奈
中堅原画:杉野昭夫、瀬谷新二、中村路之将
動画チェック:吉村昌輝、岡村隆
プロデューサー:清水義裕、大石光明
音楽:服部隆之
製作・配給:手塚プロダクション
© 手塚プロダクション/文化庁 アニメミライ2015

[あらすじ]
整然と輝く鋼鉄の摩天楼、縦横無尽に交差するハイウェイ、人のサポートをするロボット達、それがクミの住む世界――そのビルの間の噴水が流れる公園がクミの遊び場だった。豊かな草木は全て人工物であり、飛び交う蝶も流れる水もデジタル映像だったが、クミはそれを当然だと思っていた。なにしろそれしか見たことも無いのだから。その公園に毎日やってきては人造花を描き続ける老人がいた。老人はある時人造花の間から奇跡のように息吹いているチューリップの芽を見つける。一緒にチューリップの成長を見守るクミだったが、ある日……。

『森の伝説 第一楽章/第四楽章』
[1987年/日本/23分] 
原案・構成・キャラクターデザイン:手塚治虫
監督:手塚治虫、宇井孝司
美術監督:斎藤雅巳
音響監督:宇井孝司
音楽:チャイコフスキー作曲 交響曲第4番.Op.36
演奏:東京交響楽団
指揮:小林研一郎
背景:石津節子、高遠和茂、千々波美恵子
原画:吉村昌輝、小林準治、瀬谷新二、野間吐史、川尻善昭、兼森儀典、鈴木伸一
動画:喜多村直子、岡村隆、石黒あつし
イラストレーション:香取正樹
動画チェック:加納薫
色指定:藤田理香
特殊効果:前川孝
撮影監督:藤田正明
音響効果:倉橋静男
撮影:虫プロダクション
編集:尾形治敏
プロデューサー:松谷孝征
アシスタントプロデューサー:久保田稔
製作・配給:手塚プロダクション
(C)手塚プロダクション

1988年第42回毎日映画コンクール・1983年第25回大藤信郎賞
第10回ザブレグ国際アニメーション映画祭CIFEJ賞(青少年映画賞)
1988年フランス・ブール・アン・ブレス青少年のためのアニメーション映画祭青少年審査員短編部門賞

[作品紹介]
チャイコフスキーの『交響楽第4番』(『ある森の伝説』)からイメージを想起された四つのエピソードを完成させるべく、手塚治虫が十数年に渡って構想を暖めていた作品ですが、最終的に完成したのは第1楽章の部分と第4楽章の部分だけとなりました。本来は四つのエピソードを通して、ディズニー以前のアニメからディズニーを経て、ディズニー以後のテレビが主流となったアニメへと至るアニメーションの歴史そのものを振り返る、という形の作品になるはずでした。第一楽章はライオンブックスに発表されたマンガ『モモンガのムサ』のアニメ化という形になりました。これはアニメの草創期に見られた、動いていない絵を編集の工夫で動いているように感じさせる、という手法が用いられています。第四楽章はテレビ風のリミテッド・アニメで描かれた森の破壊者たちがディズニー風のフル・アニメで描かれた森の妖精たちを追い散らして行く、という物語です。この演出を通して手塚治虫はテレビに駆逐されて行く豊かなアニメ芸術の森、を描いています。

『森の伝説 第二楽章』
[1987年/日本/12分]
原案・脚本:手塚治虫
監督:手塚眞
音楽:チャイコフスキー 交響曲第四番より(指揮 小林研一郎)
企画:松谷孝征、清水義裕
プロデューサー:宇田川純男
キャラクターデザイン/作画監督:杉野昭夫
キーアニメーター:内田裕
美術デザイン/美術監督:河野次郎
撮影監督:塩川智幸
色彩設定/色指定:小林美代子
絵コンテ:手塚眞
演出:吉村文宏
原画:杉野昭夫、内田裕、三浦菜奈、山田桃子、青木一紀、中村路之将、斉藤圭太、篠原隆、吉村昌輝、小林準治、河口俊夫、片山みゆき
製作・配給:手塚プロダクション
(C)手塚プロダクション

[作品紹介]
製作テーマは<自然の美しく緻密な描写>。自然界では羽化してから約一日でその命を終わらせるカゲロウにスポットを当てる事で、森の生命感を表現します。舞台は森の奥から川の下流に行き着くまで、主役はカゲロウのオスとメス、その他に蜘蛛とカエル、魚、イタチ等で構成されており人間は全く出てきません。物語は始めから終わりまでチャイコフスキー作曲 交響曲第四番の第二楽章の曲に乗って展開されます。スタイル的には現在流行のものではなく、あえて古き良き劇場アニメーションを意識したようなオーソドックスな形としています。昨今多用されているデジタル技法効果等も前面に出さず、基本的には隠し味として使用する方向にしています。ですので、この作品では、<作画>と<背景>が作品の重要度を大きく締めることとなります。

作品図版 ⓒ手塚プロダクション
協力:手塚プロダクション、宝塚市立手塚治虫記念館、ネオンテトラ

「週末こども映画館」とは…
中学生までの年代の子どもたちを対象とした上映企画です。この年代のうちに鑑賞して欲しい世界の名作映画を新旧問わず選定し、月に1本、週末限定で上映する映劇オリジナルのプログラム。週末の午前中を子どもたちのために解放し、好奇心旺盛な元気いっぱいのこどもたちと、優れた映像作品との幸福な出合いの場をつくります。大人の皆様も楽しんで頂けるように、なるべくレギュラープログラムとの関連性はゆるやかにもたせつつ、こどもたちには「映画って楽しい!」というシンプルな感動から、世界の多様さが体感的に伝わるようなプログラム編成に努めます。上映はいつも週末の午前中。鑑賞料金は高校生以下500円。お子様連れの大人の方1名1,200円です。時々ワークショップをやったりゲストに素敵なお兄さんやお姉さんを呼んだりすることもあるかもしれません!?
映画館に行く機会がめっきり減ってしまった子育て世代の皆様、週末はちょっぴり早起きして、月に1本、お子様と劇場の大きなスクリーンで気兼ねなく映画を楽しみませんか?映画が終わる頃には街もにぎやか。そのままお子様と月イチの街ブラなんて、きっと楽しいと思います。

[注意事項]
一般の大人の皆様もご鑑賞頂けますが、笑い声や泣き声といった子どもたちの感情表現にご理解ください。
上映日程は予告なく変更になる場合もございます。ご鑑賞前にはHPかお電話で最新の上映日程をご確認の上お出かけください。

◎鑑賞料金:
高校生以下¥500/お子様連れの大人の方1名1,200円/特別鑑賞料金(一般)¥1,300/その他通常通り 
特別興行作品につき、年間パスポート(ゴールド)は利用できません。ゴールド会員の方は一般¥1,000にてご案内させて頂きます。

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