世界一と言われた映画館

今後の上映作品

[上映日程]4/13~14、16~21、23~26 ◎初日舞台挨拶決定! → uedaeigeki.com/news/713/

“映画を愛す全ての人に捧ぐ”

40年前、この映画館が酒田に存在していたことの奇跡
「世界一」と謳われた映画館にまつわる、証言集(トリビュート・フィルム)

[解説]
「…生きることの悩み、苦しみ、悲しみ、そして喜びなどの一切の縮図が映画館の中に繰り広げられる。」こう記した佐藤久一氏が支配人を務めた、山形県酒田市のグリーン・ハウス。上映ベルの代わりにジャズの名曲「ムーンライト・セレナーデ」が流れると、暗がりの中で大好きな映画が始まる……。「西の堺、東の酒田」と称された商人の町・山形県酒田市に、映画評論家・淀川長治氏が「世界一の映画館」と評した伝説の映画館。回転扉から劇場に入ると、コクテール堂のコーヒーが薫り、バーテンダーの居る喫茶スペースが迎える。少人数でのシネサロン、ホテルのような雰囲気のロビー、ビロード張りの椅子等、その当時東京の映画館でも存在しなかった設備やシステムを取り入れ、多くの人々を魅了したそこは、20歳の若さで支配人となった佐藤久一が作り上げた夢の映画館。だが、多くの家屋や人々に被害をもたらした1976年の大火災・酒田大火の火元となり、グリーン・ハウスは焼失してしまう。それから40年余りの時を越えた今、「ムーンライト・セレナーデ」が流れるあの場所へかつて集った人々が、煌めいた思い出をもとに言葉を紡いでいく……。 2018年2月に急逝した名優・大杉漣氏のナレーションにのせて贈る、忘れ難い場所を心に持つ人々の証言集。

『世界一と言われた映画館』
[2017年/日本/カラー(一部モノクロ)/67分]
語り: 大杉漣
プロデューサー: 髙橋卓也
監督・構成・撮影: 佐藤広一
証言協力: 井山計一、土井寿信、佐藤良広、加藤永子、太田敬治、近藤千恵子、山崎英子、白崎映美、仲川秀樹
企画・製作: 認定NPO法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭
映像提供: 山形放送
協力: 山形大学社会科学部付属映像研究所
音声技術: 折橋久登
整音: 半田和巳
製作助手: 稲田瑛乃
宣伝美術: 菅原睦子、玉津俊彦
協力プロダクション: ZACCO
製作協力: 大久保義彦、成田雄太、オフィス佐藤
配給: アルゴ・ピクチャーズ
配給協力: MAP
© 認定NPO法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭

公式サイト: sekaiichi-eigakan.com/

Comments 映画をご覧になった方から

全国に点在する地元の映画館が作り出す独特で愛おしい小世界…その最たるものを象徴するかのようなグリーン・ハウ ス。伝説の映画館が映画を観せるために使った数々の魔法…その魔法をかけた人々、そしてかけられた人々の言葉が、 客席やロビーやスクリーンに隠された秘密を明かしてくれる。観終わった後、あたかも本作をグリーン・ハウスで観た ような錯覚が残った。そして、隣の席には大杉さんがいたような空気も残った。
──津田寛治(俳優)

上質な映画をもてなしていた映画館の事が映画の中で語られる。そんな関係性が無限ループのように感じられて面白い。
姿なきグリーンハウスは取り巻いた人々の記憶の言葉で蘇り、大杉漣さんの言霊と共に永遠となった。映画と映画館が
改めて愛おしくなりました。
──田中要次(俳優)

地方の町にとびきり洒脱な文化の薫りをもたらし、こよなく愛された映画館が、町じゅう灰燼に帰すほどの大火の火元 となってしまった悲劇。だが、焼失から 40 余年を経て今もなおいきいきとこの劇場の麗しき記憶を語る人びとは、申 し合わせたようにその悲劇の核心に言及しない。映画と音楽と珈琲を愛した粋人が、凝りに凝った劇場を興し、もてな し心をこめて地元の人びとに贈り届けたココロの宝物。その蓄積は、大火が奪ったモノの数々よりもかけがえのないも のだったということを、この沈黙が雄弁に物語る。そしてそこが、この穏やかに進行するドキュメンタリーの紙背にひ そむ、最もドラマティックなところなのである。
──樋口尚文(映画評論家・映画監督)

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