タゴール・ソングス【順次】

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いまも あなたの“真ん中”に届く歌がある

“ 今から百年後──私の詩の葉を心を込めて読む人、あなたは誰か? ”

近代インドの大詩人ラビンドラナート・タゴールが作った歌々は今もベンガルの地に響く──時代と文化を越えて魅力を放つ「タゴール・ソング」を紐解く音楽ドキュメンタリー

[解説]
非西欧圏で初めてノーベル文学賞を受賞したインドの詩人ラビンドラナート・タゴールが作り上げた作品の魅力に迫った音楽ドキュメンタリー。イギリス植民地時代のインドを生きたタゴールは、詩だけでなく2000曲以上の歌を作り、「タゴール・ソング」と総称されるその歌は100年以上の時を超え、今でもベンガルの人びとに愛されている。タゴールの歌はなぜベンガル人の心をひきつけてやまないのか。インド、バングラデシュを旅しながら、タゴール・ソングの魅力を掘り起こしていく。監督は本作が初作品となる佐々木美佳。

[ラビンドラナート・タゴールとタゴール・ソング]
1861年、インドのコルカタに生まれる。8歳から詩作を始め、文学者のみならず、音楽家、教育者、思想家、農村改革者として、どの分野においても天才的な偉業を残した。1913年には詩集「ギーターンジャリ」によってアジアで初めてノーベル文学賞を受賞。ベンガル文学界の5大人物のうちの一人とされ、死後もなおベンガルの文学・芸術界に大きな影響を与え続けている。
タゴール・ソングは、彼が生涯にわたって作り続けた歌の総称で、その数は二千曲を超える。歌のテーマはベンガルの自然、祈り、愛、感情、民族、祭りなど多岐に及び、タゴール・ソングはインド、バングラデシュ両国の国歌として用いられている。ベンガルではタゴール・ソングを歌うことで身を立てる歌手がおり、習い事としてタゴール・ソングを習うことはごく一般的であり、今も広く聴かれ、歌われている。

[ベンガル]
ベンガル湾の頂点に位置するインド亜大陸の東部に位置し、ラビンドラナート・タゴールの母語であるベンガル語が話されている地域。ベンガルは、1947年のインド独立後、コルカタ(旧・カルカッタ)を中心としたインド東部と東パキスタンに分割された。1971年のバングラデシュ独立戦争により、東パキスタンはバングラデシュとして独立した。 現在、ベンガルはインドの西ベンガル州とバングラデシュに分かれている。

[佐々木美佳監督より]
日本で暮らしている方にとって、「ベンガル」とはどのような存在なのでしょうか。インドの一つの州、またはバングラデシュという国を思い浮かべるかもしれません。「これから発展していく国」としての希望的観測を持つ人もいるでしょう。その一方で、「貧困」「政治的混乱」という負のイメージも同時に強くつきまとっています。2016年の7月1日に発生したダッカ人質事件では日本人7名が犠牲となり、日本に大きな衝撃が走りました。連日報道されたニュースで、バングラデシュは危険な国として人々は記憶することとなります。 私たちが暮らす日本にも、多くのベンガル人が暮らしています。身近な隣人である彼らを、「危険」で「貧しい」国から来たと人だと、あなたは考えてしまってはいないでしょうか?「ベンガル」から来た人々の心には、ベンガルが生んだ世界詩人、タゴールが作った歌が生きています。ベンガル人の喜びや悲しみを歌い、なぐさめ、寄り添い、励ましてくれています。祭りの日にはベンガル人が集まって、タゴールの歌を歌ったり、聞いたりします。「タゴール・ソング」の世界を母語として楽しめるベンガル人が、私は羨ましいと思っています。近くて遠い「ベンガル」の、豊饒な歌の文化を、ドキュメンタリーを通して身近に感じてもらいたいのです。私たちが日本語のあの歌を口ずさむように、彼らもまた、今、どこかで、「タゴール・ソング」を口ずさんでいます。

『タゴール・ソングス』
[2019年/日本/ベンガル語、英語/105分]
監督:佐々木美佳
All Songs by ラビンドラナート・タゴール
撮影:林賢二
録音・編集:辻井潔
整音:渡辺丈彦
構成・プロデューサー:大澤一生

出演:オミテーシュ・ショルカール、プリタ・チャタルジー、オノンナ・ボッタチャルジー、ナイーム・イスラム・ノヨン、ハルン・アル・ラシッド、レズワナ・チョウドリ・ボンナ、クナル・ビッシャシュ、シュボスリシュ・ロエ、ニザーム・ラビ、ラカン・ダース・バウル、スシル・クマール・チャタルジー、リアズ・フセイン、鈴木タリタ

現地コーディネーター:モヒウッディン・ルーベル・デルタ、タシュヌヴァ・アナン、二ロエ・オディカリ
ベンガル語翻訳:スディップ・シンハ、佐々木美佳
タゴール・ソング翻訳監修:奥田由香
英語翻訳:細谷由依子
助成:文化庁文化芸術振興費補助金
宣伝:contrail
製作・配給:ノンデライコ

◎公式サイト:tagore-songs.com

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