『赤い風船 4K』『白い馬 4K』【3/6~12】

今後の上映作品
[上映日程]2026年3月6日(金) 〜 12日(木) *休映:未定

“ 神話の如き、夢の世界へ ”

奇跡の名作が4Kデジタル修復、純粋な少年たちの物語が美しく甦る

初公開から70年、時を超えた今だからこそ実現した4Kデジタル修復技術により、48歳という若さでこの世を去った伝説の映像詩人アルベール・ラモリスの名作『赤い風船』『白い馬』が、細部まで深く再現され、鮮明な美しさで甦る。特に『赤い風船』は、アンドレイ・タルコフスキー、侯孝賢、ウェス・アンダーソン、デミアン・チャゼルなどの名監督たちが、本作品から影響を受け映画を製作・オマージュを捧げており、多くのクリエイターたちの心を捉えて離さない唯一無二の作品として知られる。
映画に出演している息子のパスカルが、公開当時のオリジナルのフィルム映像に可能な限り近づけ、父アルベールの意図を忠実に現代に甦らせるために4Kデジタル修復に尽力。夢を現実化したポエティックな映像美と遊び心、愛と自由への賛歌、純粋な少年たちの物語の美しさは、今なお一層の輝きを放ち、忙しなく現代を生きる私たちの心を癒し、喜びを届けてくれる。

[上映作品]
『赤い風船 4K』(1956) 
『白い馬 4K』(1953) 

配給:セテラ・インターナショナル

[公式サイト]
akaifuusen4k.com

[上映時間]
*準備中

作品紹介

『赤い風船 4K』Le Ballon Rouge
[1956年/フランス/フランス語/スタンダード/カラー/35分]
監督・脚本:アルベール・ラモリス 
出演:パスカル・ラモリス、サビーヌ・ラモリス、ジョルジュ・セリエ、ほか
© Copyright Films Montsouris 1956

★第29回アカデミー賞®脚本賞受賞
★第9回カンヌ国際映画祭短編パルム・ドール(最高賞)受賞
★1956年度ルイ・デリュック賞受賞

パリの街を漂う不思議な赤い風船と出会った少年の物語
ある朝、少年パスカルは学校に行く途中で、ふわりと宙に浮かぶ赤い風船を見つける。風船は街灯に紐が引っかかって動けなくなっていたのだ。放課後、風船を持って家へ帰り着いたが、窓から風船を放り出されてしまう。しかし、不思議なことに、風船は窓際にふわふわと浮いてとどまった。風船と友達になったパスカル。いじめっ子たちが、風船を我がものにしようと追いかけてくる。パスカルは風船とパリの街を逃げ回る・・・。
パリ20区、アーティストが多く集うメニルモンタンが舞台。少年と風船の心の交流に優しさが溢れる。パリの街並みに映える赤い風船の色彩、CGや機械仕掛けでもない撮影技術が素晴らしい。

『白い馬 4K』Crin Blanc 
[1953年/フランス/フランス語/スタンダード/白黒/40分]
監督・脚本:アルベール・ラモリス 
出演:アラン・エムリー、パスカル・ラモリス、ローラン・ロッシュ、ほか
© Copyright Films Montsouris 1953

★第6回カンヌ国際映画祭短編グランプリ(最高賞)受賞
★1953年度ジャン・ヴィゴ賞受賞

南仏カマルグ地方、荒々しくも気高い馬と漁師の少年の友情
南仏カマルグ地方に、白く美しい荒馬をリーダーにした野生馬の一群がいた。“白いたてがみ”と呼ばれる馬の存在は噂となり、牧童たちは野生馬を捕獲し始める。漁師の少年フォルコは、牧童たちの手から逃れた“白いたてがみ”を見つけ、ひっそりと近づき、手綱を握った。ひきずられながらも手綱を放さないフォルコに、馬は次第に心を許す。しかし、すぐに牧童たちに見つかり、フォルコは馬をなんとしても守ろうとするが・・・。
カマルグは特異な自然環境が独自の生態系を育む大湿地帯で、国立自然保護地域に指定されている。実在する馬たちをモデルに作られた物語で、馬はこの神秘的な場所を象徴する存在。少年と馬の美しき友情に感涙。

映画監督 アルベール・ラモリス

Albert Lamorisse (1922年1月13日-1970年6月2日)
フランス、パリ生まれ。IDHEC(高等映画学院)の聴講生となり、写真家としても活躍。47年、短篇ドキュメンタリー“Djerba(ジェルバ)”で映像作家としてデビュー。49年に、同じジェルバ島で撮影された劇映画第1作『小さなロバ、ビム』を監督する。詩人ジャック・プレヴェールに見出され、新たにプレヴェールがナレーションを加え、51年公開された。
53年に劇映画第2作『白い馬』を監督し、カンヌ国際映画祭短編グランプリ(最高賞)を始め数々の賞を獲得する。56年『赤い風船』にもカンヌ国際映画祭短編パルム・ドール(最高賞)、アカデミー賞®脚本賞を始め映画賞を多数受賞。アルベール・ラモリスの名声は世界に広がり、多くのファンが生まれた。
60年、ヘリコプターに耐震装置をつけた「ヘリヴィジョン」を発明し、長編劇映画第1作となる『素晴らしい風船旅行』を監督する。『赤い風船』と同様に息子のパスカルをふたたび主演にし、フランス全土を横断し撮影した。65年、時計泥棒の青年が、天使のように空を飛ぶロマンティックなファンタジー『フィフィ大空をゆく』を監督、「ヘリヴィジョン」が活躍した。
1970年、ドキュメンタリー“Le vent des amoureux(恋人たちの風)”の撮影のため、イランのテヘラン郊外をヘリコプターで飛行中に事故に遭い、湖に落下し、48歳で死去する。世界中でその若すぎる死が惜しまれた。“恋人たちの風”はアルベールの製作ノートに基づいて未亡人が完成させて、78年に公開された。

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