ジョン・バージャーと4つの季節【9/12~18】

今後の上映作品
[上映日程]2025年9月12日(金) 〜 18日(木) *休映:9/16

“ 抵抗の種は、生活の中に ”

オスカー女優ティルダ・スウィントンが慕った反骨の作家、その素顔と最後の日々

[INTRODUCTION]
稀代のストーリーテラーとの “思考のレッスン”
英国の作家ジョン・バージャーは、1950年代末にデビューし、2017年に90歳でこの世を去るまで、美術批評、詩作、戯曲、小説といった多彩な分野で旺盛な表現活動を展開しました。
1972年には小説「G.」でブッカー賞を受賞。また代表作『Ways of Seeing』(邦題『イメージ:視覚とメディア』)は、西洋美術の商業主義や女性の描かれ方を通して、西洋社会のものの見方のバイアスを批評し、今もなお世界中で版を重ねる象徴的な作品となりました。韓国では近年、著書の多くが翻訳されているほか、日本でも西欧の移民労働者を描いた『A Seventh Man』(邦題『第七の男』)を始め、2024年以降邦訳が立て続けに出版されています。

クリスマスの1週間前、私はカンシーまでジョンを訪ねることにした──
2007年に映画『フィクサー』でアカデミー賞助演女優賞を受賞し、今年1月には最新作『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』が日本公開された英国の女優ティルダ・スウィントンにとって、ジョン・バージャーは特別な存在であり続けてきました。1989年の映画『Play Me Something』(日本未公開)で共演を果たしたふたり。軍人の父を持ち、時を隔てて同じ日にロンドンで生まれたという事実が互いの結びつきを強め、長年にわたって親交を深めてきました。
スウィントンが中心となり、ロンドンの実験的映像プロダクション、「デレク・ジャーマン・ラボ」と製作した本作は、彼女がバージャーの住むフレンチ・アルプスの村カンシーを訪ねる場面から始まります。カンシーの四季に沿って編まれた4つのチャプターを通して、戦争の記憶、人間と動物、政治とアートといった、バージャーが一貫して取り組んできたテーマを一つ一つすくい取り、次世代にバトンを繋いでいきます。
“小さな声”、“声なき声” に耳をすませ、生涯を通じて “文化的抵抗”(Cultural Resistance)を止めなかった語り手、ジョン・バージャー。その鋭くも温かい世界へのまなざしが、スウィントンを始め、彼を慕う人々との対話を通じて立体的に浮かび上がります。それはまた、混沌とする現代社会にあって、バージャーが今に遺した置き手紙のようにも見えてきます。

『ジョン・バージャーと4つの季節』
[2015年/イギリス/英語/16:9/5.1ch/90分]
出演:ジョン・バージャー、ティルダ・スウィントン
プロデューサー:ティルダ・スウィントン、コリン・マッケイブ‬
‭音楽:サイモン・フィッシャー・ターナー‬
原題:The Seasons in Quincy : Four Portraits of John Berger
企画・制作:デレク・ジャーマン・ラボ、ピッツバーグ大学‬
‭配給:BABELO
©2015 The Derek Jarman Lab‬

[上映時間]
*準備中

[公式サイト]
johnberger4.babelo.co

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