星くずの片隅で

過去の上映作品
[上映日程]9/30~10/13(休映:10/2、10)
*9月30日(土)13時55分の回の上映後、やどかりハウスの元島生さんをスピーカーに、アフタートークイベントを開催致します

“ 俺たちは塵より小さい、神様も見逃すほどだ。
 でもお互いを見れたら、それでいい 。”

[INTRODUCTION]
コロナ禍の静まり返った香港の片隅で、誰にも気付かれずに生きる人々の孤独な心を、新世代の香港映画の旗手ラム・サム監督がやさしい眼差しで掬い取ったヒューマンドラマ。台湾アカデミー賞3部門、香港電影評論学会大奨6部門、そして香港アカデミー賞10部門ノミネートの快挙を遂げ、香港の新人監督のデビュー作としては異例の注目を集めている。ラム・サム監督が紡ぎだした優しい眼差しと共に注目されたのが、魅力的なキャスティングにもある。
主演は映画やドラマでコメディ俳優として定評のあるルイス・チョンと、香港のトップモデル アンジェラ・ユン。ルイス・チョンは、不器用でやさしい中年男ザク役で新境地を切り拓き、名優アンソニー・ウォンを抑え香港電影評論学会大奨最優秀男優賞を獲得し、表現者として大きな転機を迎えた。映画『宵闇真珠』(17/ジェニー・シュン、クリストファー・ドイル共同監督)でオダギリジョーと共演し、川島小鳥の写真集や銀杏BOYZのCDジャケット、Vaundyの「Tokimeki」のMVにも起用され話題の香港のトップモデル アンジェラ・ユンが、ずる賢くも憎めないキュートなシングルマザーのキャンディ役を好演。本作のほかにも大阪アジアン映画祭でも上映された『香港ファミリー』(22/エリック・ツァン・ヒンウェン監督)などの話題作に起用され、一流メゾンのファッションアイコンから一気に新世代の最注目株女優に躍り出る存在となった。
世界の映画祭を席捲する“新世代の香港映画”を牽引する、ラム・サム監督は本作が単独デビュー作となる。やさしく不器用な中年男のザクと、誰にも頼らずに生きるシングルマザーのキャンディを主軸に、家族でもない、恋人でもない、でもお互いがきらめいている瞬間を愛おしく思える気持ちが描いていく。コロナ禍でシャッターが降り静まり返った2021年の香港で撮影された本作は、この時代にしかない空気感、そして誰もが持ついいようのない感情が淡々と映し出されていく。ひとりじゃない、そんな希望が全ての人の心にじんわりとひろがっていく、必見の感動作!

[STORY]
2020年、コロナ禍で静まり返った香港。「ピーターパンクリーニング」の経営者ザクは、車の修理代や品薄の洗剤に頭を悩ませながら、消毒作業に追われる日々を送っている。リウマチを患う母は、憎まれ口をたたきながらも、たまに看病にくるルイスのことを心配している。ある日、ザクの元にド派手な服装の若いシングルマザーのキャンディが職を求めてやってくる。まともな仕事をしたことがなさそうなキャンディだったが、娘ジューのために慣れない清掃の仕事を頑張りはじめる。しかしキャンディがジューのために子供用のマスクを客の家から盗んでしまい、ザクは大事な顧客を失ってしまう。幼い娘を抱え、まともな暮らしもできずにいるキャンディをみて、ザクはもう一度だけチャンスを与える。心を入れ替え仕事に打ち込んでいくキャンディに、心惹かれていくザク。そんな中、ルイスの母が急死してしまう。葬儀に向かうザクを送り出し、ひとりでの仕事に張り切るキャンディ。しかしジューがうっかりこぼしてしまった洗剤をきっかけに、追い詰められたキャンディはちょっとした嘘を重ねていってしまう。それがザクと会社を窮地に追いやることになり…。

『星くずの片隅で』
[2022年/香港/115分]
出演:ルイス・チョン、アンジェラ・ユン、パトラ・アウ、トン・オンナー
監督:ラム・サム
原題:窄路微塵/英題:The Narrow Road
配給:cinema drifters・大福・ポレポレ東中野
(C)mm2 Studios Hong Kong

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