REVOLUTION+1

過去の上映作品
[上映日程]5/20~26(休映:5/22、25)

“ 僕は、星になれるのか ”

足立正生監督6年ぶりの新作にして最大の問題作
あの “衝撃の事件” を基に描く———

[INTRODUCTION]
足立正生監督の 6 年ぶり新作は、2022年8月末に密かにクランクインし、8 日間の撮影、間髪入れずに編集作業に突入、クランクインから一月後にはダイジェスト版を国葬当日に緊急上映を行うという離れ業を演じた。それで映画が持つ本来の荒々しいスピード感を 83 歳の監督が、取り戻した。しかし、それでは終わらない、完成版を劇場公開する。描くは、安倍晋三元首相暗殺犯の山上徹也容疑者。この国は、安保法制や共謀罪がそうであったように、国民の大半の反対意見があるなかで、安倍晋三氏の国葬も強行された。民意をも無視を決め込み、国会は機能を停止し、ジャーナリズムも頼りなく、そのような状況下、足立正生は、再び、映画の持つ創造力と荒々しいスピードを取り戻す。山上容疑者の犯行を人はテロと呼び、民主主義への最大の挑戦と呼んだ。しかし、それは本質をついているだろうか。豈図らんや彼の行動は、自民党のみならず日本の政治家と統一教会の尋常ならざる癒着ぶり、保守を標榜する政党の爛熟の果ての退廃ぶりが公に晒された。この映画はもちろん、その是非を問うものではない。しかし、シングルマザー、宗教二世、派遣労働と、この国の貧困を体現してきた一人の男が自分と対極にある一人の男を暗殺する、それに至る過程を描くことで、この国に決定的に欠けているものを知らしめることになるのではないだろうか。脚本は『止められるか、俺たちを』の井上淳一と足立の共作。撮影は髙間賢治。主演は『連合赤軍 あさま山荘への道程』『止められるか、俺たちを』のタモト清嵐。製作は、数々のライブハウスを経営するロフトプロジェクト。

[STORY]
川上達也は、一人、ずっと暗闇の中で生きてきた。記憶のある明るい時間は、父が生きていた時代。普通よりは裕福な家庭で育ち、父が経営する会社も順調、優しい母、頼もしい兄と可愛い妹に囲まれて何不自由のない生活を送っていた。しかし、仕事と人間関係に疲れ果てた父の自殺からすべてが一変する。兄は癌の治療、転移よる後遺症で片目を失明し自暴自棄となり、妹は急に貧しくなった生活に戸惑い反抗的になる。達也は、目指していた大学進学の道を断念する。母は、すがる思いで統一教会に入信する。そして、父が命をかけて家族のために残した生命保険も教団の言うがままに献金を繰り返し、すべてを使い果たして、遂には自己破産をしてしまう。そんな時、母を奪い返すために教団の施設に向かった兄は、屈強な教団職員に囚われの身となる。最も親しみを感じ、頼りにしていた兄も、絶望の果てに自死する。それ以来、希望も失い暗闇のなかを彷徨っていた。自分を、家族をここまで追い込み、すべてを失わせた元凶である教団への復讐を誓う。かつて自衛隊にいたときの経験を思い出し、改造拳銃を自分の部屋に閉じこもり作り続ける、確かな目的もなく。孤独の中で達也は「僕は星になれるのか」と瞑目する。突然、元首相が、自分が育った場所に選挙応援でやってくることが知らされる。早朝、身を整理した達也は、静かに部屋を出る。

『REVOLUTION+1』
[2022年/日本/75分]G
監督・脚本:足立正生
出演:タモト清嵐、岩崎聡子、髙橋雄祐、紫木風太、前迫莉亜、森山みつき、イザベル矢野、木村知貴
脚本・キャスティング:井上淳一
エグゼクティブ・プロデューサー:平野悠
音楽:大友良英
撮影監督:髙間賢治JSC
編集:蛭田智子
助監督:鎌田義孝
製作:LOFT CINEMA、太秦、足立組
制作会社:ドッグシュガー
©REVOLUTION +1 Film partners
配給:太秦

[上映時間]

[公式サイト]
revolutionplus1.com/

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