アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ

過去の上映作品
[上映日程]5/28~6/10(休映:5/30、6/6)

人間の本性は “卑猥” である。

パンデミックは人間の性(さが)をあぶり出す———
ルーマニアの鬼才ラドゥ・ジューデ監督が放つ、類をみない傑作

[INTRODUCTION]
2021年ベルリン国際映画祭は、冒頭のあけすけな本番セックスシーン(日本公開版は監督による検閲版)に始まる、この挑戦的なルーマニア映画『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ』に金熊賞を授与した。その後世界で大きな反響を呼び、本国ルーマニアの米アカデミー賞代表作品選出、ニューヨークタイムズが選ぶ2021年ベスト2位作品にも選出(6位は『ドライブ・マイ・カー』)されるなど、その快進撃は止まることを知らない。決して口当たりのいい映画ではないのに、世界が同時に経験したパンデミックとその後の社会の閉塞感を、“卑猥”とは何か?と改めて問いかけることで読み解こうとしたこの映画への、人々の共感が絶賛という形になった。ルーマニアの鬼才ともいうべきラドゥ・ジューデ監督は、いきなりのハードなセックスシーンをプロローグとして、続けて物語を三つのパートに分けていく。さらに三つの結末を用意する“マルチエンディング”で、監督はポルノグラフィという問題をブラックコメディとして見せ、映画を終息させる。コロナ禍で浮き彫りにされた社会の偽善や偏見を露見させ、類を見ない傑作の誕生となった。

[STORY]
ルーマニア、ブカレスト。名門校の教師であるエミは、コロナ禍の街をさまよい歩いていた。夫とのプライベートセックスビデオが、意図せずパソコンよりネットに流失。生徒や親の目に触れることとなり、保護者会のための事情説明に校長宅に向かっているのだ。しかしそこにはブカレストの街を漂流するかのように、エミの歩く姿が映し出されるだけだ。彼女の抱える不安や苛立ちは、街ゆく人々も共有する怒りと絶望であり、さらにはその街、引いては世界の感情そのもののようであった。猥雑で、汚れ、怒りを孕んだ空気が徐々に膨れ上がっていく…。

『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ』
[2021年/ルーマニア・ルクセンブルク・チェコ・クロアチア/ルーマニア語/シネスコ/106分]R15+  
監督・脚本:ラドゥ・ジューデ
英題:BAD LUCK BANGING OR LOONY PORN
字幕翻訳:大城哲郎
配給:JAIHO
© 2021 MICROFILM (RO) | PTD (LU) | ENDORFILM (CZ) | K INORAMA (HR)

第71回ベルリン国際映画祭金熊賞受賞
2022年米アカデミー賞®ルーマニア代表作品
ニューヨークタイムズが選ぶ2021年ベスト2位選出

[上映時間]

[公式サイト]
unluckysex-movie.com

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