我来たり、我見たり、我勝利せり【6/27~】

今後の上映作品
[上映日程]2025年6月27日(金) 〜 *休映:6/30、ほか

連続狙撃事件の容疑者はエレガントな億万長者
上流国民の“お遊び”に法の鉄槌は下るのか———

[STORY]
起業家として億万長者に成り上がり、幸福で充実した人生を送るマイナート家。一家の長であるアモンは、家族思いで趣味の狩りに情熱を注いでいる。ただ、アモンが狩るのは動物ではない。莫大な富を抱えた一家は“何”だって狩ることが許されるのだ。アモンは“狩り”と称し、何カ月も無差別に人を撃ち殺し続けている。“上級国民”である彼を止められるものはもはや何もない。一方、娘のパウラはそんな父親の傍若無人な姿を目の当たりにしながら、“上級国民”としてのふるまいを着実に身につけている。ある日、ついにパウラは父親と“狩り”に行きたいと言い出す。

[INTRODUCTION]
「ユーモアは危険な時に最高に力を発揮する」という信念を持ち、観る者に笑いと怒りを同時に起こさせる気鋭の監督デュオによる本作。監督のダニエル・へースルとユリア・ニーマンは、金持ちの無敵さを極限まで押し上げ、歯止めがないシステムの結末と、自分の行動に責任を持たない世界の危険性を本作で見せつけた。ヘースルはオーストリアの巨匠ウルリヒ・ザイドルの助手だった経験があり、本作で“狩り”を題材にしたことはザイドルの『サファリ』(16)とのつながりを考えられずにはいられない。恐ろしいほど不快なこの物語にあなたは果たして耐えられるか。
監督のヘースルとニーマンは社会的均衡のシステムを制御不能に追い込んでいる資本と、その力に繰り返し焦点を当てている。本作も勝者と敗者、資本主義と価値観、権利と境界線について描いた映画だ。メイナードの“狩り”を止めることはできない。富を持つ者は自由に行動することができ、法でさえ彼らを裁くことはできない。嘘のようなこの”胸クソ映画“は私たちのすぐ隣にある物語なのだ。

『我来たり、我見たり、我勝利せり』
[2024年/オーストリア/ドイツ語/スコープサイズ/5.1ch/86分]PG12
監督:ダニエル・ヘースル、ユリア・ニーマン
製作:ウルリヒ・ザイドル
出演:オリヴィア・ゴシュラー、ウルシーナ・ラルディ、ローレンス・ルップ、マルクス・シュラインツァー、ゾーイ・シュトラウプ
原題:Veni Vidi Vici
配給:ハーク/配給協力:フリック

[上映時間]
*準備中

[公式サイト]
hark3.com/vvv

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