茜色に焼かれる *オープンダイアログ対象作品

過去の上映作品
[上映日程]7/10~23(休映:7/12、19)

“ 悪い冗談みたいなことばかり起きるこの世界で
 母ちゃんも、僕も、生きて、生きる。”

[解説]
この世界には、誰のためにあるのかわからないルールと、悪い冗談みたいなことばかりがあふれている。そんな、まさに弱者ほど生きにくいこの時代に翻弄されている、一組の母子がいた。哀しみと怒りを心に秘めながらも、わが子への溢れんばかりの愛を抱えて気丈に振る舞う母。その母を気遣って日々の屈辱を耐え過ごす中学生の息子。もがきながらも懸命に生きようとする勇気と美しさに、きっと誰もが心を揺さぶられ、涙する。いよいよ社会のゆがみが浮き彫りになっている現代日本。そこで生きていくことは決して楽じゃない。どんな困難でも、何が起ころうとも、それでも前を向き、信念を貫く母の強さを描く。これは、圧倒的な愛と希望の物語。
傷つきながらも、自身の信念の中でたくましく生きる母親・田中良子を尾野真千子が驚くべき存在感で体現。良子の息子・純平を演じるのは次世代の注目株・和田庵。その純平が憧れを抱く良子の同僚・ケイには出演作が相次ぐ片山友希。そして、交通事故で命を落とす夫・陽一にオダギリジョー、良子とケイを見守る風俗店の店長にベテラン、永瀬正敏が脇を固める。あえて今の世相に正面から対峙することで、人間の内面に鋭く向き合ったのは、今や日本映画界を牽引する石井裕也監督。観るものに時に衝撃を、時に温もりを与え、これまでのどの作品よりも自由にして、同時にどこまでも優しい世界を作り上げた。

[あらすじ]
1組の母と息子がいる。7年前、理不尽な交通事故で夫を亡くした母子。母の名前は田中良子。彼女は昔演劇に傾倒しており、お芝居が上手だ。中学生の息子・純平をひとりで育て、夫への賠償金は受け取らず、施設に入院している義父の面倒もみている。経営していたカフェはコロナ禍で破綻。花屋のバイトと夜の仕事の掛け持ちでも家計は苦しく、そのせいで息子はいじめにあっている。数年振りに会った同級生にはふられた。社会的弱者──それがなんだというのだ。そう、この全てが良子の人生を熱くしていくのだから──。はたして、彼女たちが最後の最後まで絶対に手放さなかったものとは?

『茜色に焼かれる』
[2021年/日本/シネマスコープ/144分]R-15+
出演:尾野真千子、和田庵、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏
監督・脚本・編集:石井裕也
主題歌:「ハートビート」/ GOING UNDER GROUND(ビクターエンタテインメント)
配給:フィルムランド、朝日新聞社、スターサンズ
©2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ

◎公式サイト:akaneiro-movie.com

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