解放区

今後の上映作品
[上映日程]11/1~14(休映日:11/2~3、5)

そのフェンスの向こうには “楽園” があった──

ドキュメンタリー作家 “未満” の男が漂着した大阪・西成。
再開発に翻弄される街と、
行き先を見失った主人公の不安定な魂がシンクロした時、
現実と虚構の境目が崩壊する──。

[解説]
友人の自殺を直視したドキュメンタリー映画『わたしたちに許された特別な時間の終わり』(2013年)が国内外で反響を呼び、また俳優としても活躍の場を広げる太田信吾が、再開発に揺れる大阪は西成区・釜ヶ崎に漂着する若者をドキュメンタリーの手法を活かし、リアリティ溢れる描写で表現した初の長編劇映画監督作品。かつて本作への助成金に関して大阪市との見解の相違から映画の存続が危ぶまれ、その議論は各所に飛び火した。それでも「貧困や病気、犯罪は、個人の問題ではなく、社会システムを受容しているわたしたち一人ひとりに起因する。」という彼の強い信念が多くの人を動かし、地元住民や商店主などの協力を得ながら映画は2014年に完成した。しかし、その後東京国際映画祭、光州国際映画祭に正式招待されるも永らく一般劇場公開が見送られてきた。なぜなのか?5年の封印を経て、いまその“映画”の全貌が明らかにされる。平成を超え、ついに新時代・令和となって解放された“問題作”遂に劇場公開。

[あらすじ]
ドキュメンタリー作家になる事を夢見る“未満”の青年は、先輩ディレクターとの理不尽な上下関係や被写体との接し方に悩みながらも、小さな映像制作会社で働きながら未だその途中である。夢を語り理解を示してくれる恋人もいるが、ある現場で先輩の取材姿勢に憤りを爆発させてしまう。職場での居場所を失った彼は、新たな居場所を探すかのように、かつて出会った希望を見失った少年を取材する為に大阪、西成へと向かう。しかし、少年の行方を掴む事は出来ない…。1人で問題に向き合えず、東京で取材した引きこもりの青年を呼びつけ、行きずりの女性に愛を語り、誠実さに欠ける取材を続ける。少年を探しながら街を彷徨う日々。そして、自らの弱さと甘さがもたらした結果から、一歩また一歩と後戻りできない道に迷い込んでいくのだった。

[コメント]
ここ何年もの間に観た劇映画の印象がすべて吹っ飛ぶぐらい、衝撃を受けました。社会性を持ちながら、劇映画本来の醍醐味がここにあります。俳優の存在力、カッティング、自在に動くカメラ、音や音楽など、低予算にも関わらず条件の厳しさはまったく感じさせず、いまの映画業界に愚痴ばかり言っている私は、ですから、ひどく落ち込みました。そして遠い昔、勝新太郎さんが私に言った「サカモト、映画はね、裏切りとすれ違いで成り立ってるんだよ」という言葉を思い出しました。加えて、「フィクションはノンフィクションのように、ノンフィクションはフィクションのように、作るべし」とよく先達が言ってましたが、そのどちらでもありどちらでもないありかたに驚きました。あらためて、撮影隊=芸術を受け入れる度量の深さをあの町に感じ、それでいて『解放区』はその題名のとおり、決してあの地域にのみ特化した作品ではなく、この国に住む私たちの脆弱な精神性(排除や偏見や憎悪)にも関わる物語として、あらゆる場所へ越境して行くべき作品です。2020年、2025年のバカ騒ぎに向けて、日本の繁栄を最底辺から支えてきた人間たちと、その営みを覆い隠して、なんのための国づくりなのか。自戒も含め、まずは映画人が観るべき映画。主人公の自業自得は、あまりに痛快。傑作!
──阪本順治(映画監督)

『解放区』
[2014年/日本/カラー/114分]R18+
監督・脚本・編集:太田信吾
エグゼクティブ・プロデューサー:カトリヒデトシ
プロデューサー:筒井龍平、伊達浩太朗
アソシエイトプロデューサー/ラインプロデューサー:川津彰信
撮影監督:岸健太朗
録音:落合諒磨
制作:金子祐史
音楽:abirdwhale|Kakinoki Masato
助監督:島田雄史
制作助手・小道具:坂田秋葉
録音助手:高橋壮太
制作応援:荒金蔵人
現地コーディネーター:鈴木日出海、朝倉太郎
撮影助手:鈴木宏侑
エンディングテーマ:
ILL 西成 BLUES -GEEK REMIX- / SHINGO★西成 (作詞:SHINGO★西成 / 作曲:DJ TAIKI a.k.a. GEEK)

出演:
太田信吾、本山大、山口遥、琥珀うた、佐藤亮、岸健太朗、KURA、朝倉太郎、鈴木宏侑、 籾山昌徳、本山純子、青山雅史、ダンシング義隆&THE ロックンロールフォーエバー、 SHINGO★西成 ほか

製作:トリクスタ
制作プロダクション:トリクスタ、ハイドロブライト
宣伝:contrail
デザイン:武田明徳(VOX)
配給:SPACE SHOWER FILMS
©2019「解放区」上映委員会

◎公式サイト:kaihouku-film.com
◎特別前売鑑賞券(¥1,400)を劇場窓口にて販売致します。

監督:太田信吾
1985年生まれ。長野県出身。大学卒業後、映画監督・俳優としての活動を開始。映画『卒業』がイメージフォーラムフェスティバル2010優秀賞・観客賞を受賞。初の長編ドキュメンタリー映画となる『わたしたちに許された特別な時間の終わり』が山形国際ドキュメンタリー映画祭2013で公開後、世界12カ国で配給される。テレビディレクターとして「情熱大陸」(TBS)、「旅旅、しつれいします」(NHK総合)などの演出を担当。

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